パーマの工程で起きているダメージ②【注意すべき異質な結合】

理論

こんにちは。ヨシダです。

美容師としてのサロンワーク経験を活かし、現在は「ダメージケア」に特化した情報を通じて、美容師さんや美容ディーラーさんのサポートをする仕事をしています。

難しそうだからと敬遠されがちな毛髪や薬剤のお話しですが、できるだけ簡単にわかりやすく、でも大事なことはしっかりと書いていこうと思います。

今回は、パーマの工程に関わるダメージリスクの中でも、かなり重要なことについて説明します。

この記事では、「混合ジスルフィド」という難しいワードが出てきますが、安心して下さい。このワード自体を覚える必要はありません。

タイトルにも書きましたが、「注意すべき異質な結合」と考えてもらえれば十分です。

わりと髪にとって厄介なことなので、なにが問題なのかを理解して頂ければ大丈夫です。

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還元剤が髪の中でつながってしまう「混合ジスルフィド」

「混合ジスルフィド」は、あまり聞いたことがないかもしれません。

簡単に言うと、パーマは1剤(還元剤)でS-S結合を切って、2剤(酸化剤)で再結合する訳ですが、本来戻らなくてはいけないS-S同士の正しいつながりではなく、還元剤が持っているSと髪のSがつながってしまう現象です。

この浮気がちな SとS の再結合によって、髪の内部強度が低下するためにウェーブの持ちが悪くなったり、異質な結合として取り込まれた還元剤が髪に負担を与え、ダメージしやすい髪ができてしまうのです。

このような異質の結合を全く無いように施術することは困難としても、できるだけ少なくなるように工夫することは大切です。

オーバータイムで起こっていること

1剤(還元剤)は、S-S結合を切っているだけではなく、再結合も行っています。

え?っと思うかもしれません。でも考えてみてください。カールチェックの段階である程度のカールはできてますよね?

それでは詳しく説明していきましょう。

軟化タイムと呼ばれる最初の段階は、S-S結合を切ろうとする力が強く、S-Sを再結合する力はかなり弱いので、全体としてS-Sを切る方向に進みます

しかし、やがて反応はだんだんゆっくりとなり、切る力とつながろうとする力が同じになり、オーバータイムとよばれる時間に入ると、S-Sをつなげる力が増えてきます。

ウェーブ効果は時間と共に急速に上昇しますが、20分を過ぎると一定値になります。これをオーバータイム期といい、S-S結合の切断より再結合の比重が高くなっていることを示します。 


この時、髪同士のS-Sもできますが、圧倒的に還元剤のSが、髪の中で切断された片方のSと再結合し始めます。

こうして髪の内部にどんどん還元剤が吸着されてしまうために、オーバータイム期を大幅に過ぎてできたウェーブは、その後のダメージを起こしやすく、キレイなパーマとはいえないものをつくってしまいます。

中間水洗不足で起こっていること

2剤の役割は、自ら分解してできる活性酸素で、切断されたS-S結合を再結合させることです。

(ブロム酸と過酸化水素の違いも超重要なので、改めて記事にして説明します)

しかし、2剤を使用する際に、髪の内部に多くの還元剤が残留している場合には、還元剤の持つSと髪の切断された片方のSとが結合してしまいます。

つまり、中間水洗をせずに2剤で酸化を行うと、髪の中には本来あってはならない大量の「異質な結合」ができてしまうのです。


また、中間水洗を酸リンスで行うこともオススメできません。

酸リンスはキューティクルを閉じる働きもあるので、キューティクルを閉めた状態では、内部に残留している還元剤やアルカリ剤を取り除きにくくなってしまいます。

少しであっても中間水洗するだけの効果は、ダメージの減少としてあらわれます。その後で酸リンスを使ってブロム2剤で酸化する工程が基本です。

ちなみに、2剤に過酸化水素を使う場合は、酸リンスをつけずに塗布します。

(これも別記事でくわしく説明します)

まとめ 〜対処法〜

カールチェックの際、もう少しかな?と思った場合ですが、オーバータイム前であればプラス数分放置するか、そのまま再塗布でも大丈夫です。

でも、オーバータイムを過ぎそうな時間であれば、お湯を入れたスポイトで水洗して、軽くタオルで余分な水分を吸収させてから1剤を再塗布したほうがいいです。

なぜかというと、オーバータイム後の髪の内部にいる還元剤は、つながろうとする力が強くなっている状態です。

この状態のまま還元剤を塗布しても、つながろうとする力に負けてしまい、切りたいはずのS-S結合がうまく切れません。

加温や還元剤の重ねづけでもある程度は軟化が進んでウェーブをつけることができますが、一方でたくさんの混合ジスルフィドを髪の内部に残してしまいます。

ウェーブがすぐにダレたり、ダメージがひどくなったりして、お客様をがっかりさせてしまうかもしれません。


さて、いかがでしたか?

もし、今まで意識することがなかった方は、この後の施術からすぐに意識してみてください。

次回は、2剤の酸化について説明する予定ですので、引き続きよろしくお願いいたします。


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参考資料:marcel No.155「ケミカル処理による毛髪」

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