女性美容師が働きやすい環境になるまでとその理由

先日は弊社の2店舗目であるママサロンについて先に書きました。
実はママサロンだけが特別な環境ではなく、1店舗目である一般サロンも仕事とプライベートを両立できる環境です。
今回は、弊社がどのようにママサロンを経て、一般サロンを巻き込み、現在の「女性美容師が生涯安心して働ける会社」と言えるようにになったかの根拠をお話ししたいと思います。

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12年前のオープン時は一般的なブラックサロン

・9:00〜20:00

・月6休

・有給無し

・月労働時間275H

今思うとひどい。。。


自分もこんな環境で育ったからそのままなんの疑いもなく同じようにやっていた。
スタッフは1人。

個人事業主で起業したためまだ社保は入る義務はなかった。


9月にオープンして、12月の繁忙期にバックレ。
5ヶ月間一人で営業し、4月に新卒の子が入社した。


が、また12月にバックレ。


実家の床屋の母親(美容師免許保持者)にヘルプに来てもらった恥ずかしさは今も忘れない。


当時は「何も言わずにやめるなんて」と思ったが、今思えばよくあの環境でやってくれたと思うし、やめて当然だと思う。


店的には繁盛していた。オープン初月から黒字だった。


理由は周りに美容室が少なかったから新規が多かっただけ。
「経営」をして忙しくしたものではなく、技術者100%の利益構造だ。
加えて長時間営業と少ない休みによる売り上げ増。


「これ経営じゃないな」というのは感じていた。

だから当時は自分を経営者と表現するのが恥ずかしいと思っていた。


そして2度のバックレから美容師の労働環境を見直していこうと考え始めた。

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義務ではなかったが法人化した理由

当時のスタッフ数的に法人化する必要はまだなかったが、ただ社保に入ってあげたかったという理由で法人化した。

それと、今後の求人にも有利だと思ったからだ。

問題はそれだけじゃないのに当時はまだそれしか思い浮かばなかった。
すぐにスタイリストの応募があった。

初の3人体制だ。

労働時間は1時間短くして9時〜19時になった。

月の労働時間は275H⇨250Hになった。

まだ休みは変わらない。
当時の考えではもっと短くすることは想像できなかった。
単純に売り上げが減ると思ってビビっていただけだ。
利益構造が自分の技術、長時間労働に頼ったものなんだから当然だ。
まだそこから脱却できずにいた。


店売り上げ自体は、スタッフ数が増えるにつれ常に右肩上がりだった。
もちろん比例して自分の売り上げも上がっていたので、経営者としては誇れるような内容ではなかったが。

そのくせ調子に乗り2店舗目を出した。


前回のブログでも書いたような結末を迎えることなんて思いもせず。

完全週休二日制で店を定休日に

このとき、完全週休二日制を考えていた。

3人でシフト制も導入すると、2人の日が出てしまう。

2人でお客様が3人になるのと、3人でお客様が4人になるのとでは同じスタッフ数+1でもバタバタ感が全然違う。

その間に電話対応、受付対応もある。


そんな考えからあんなに労働時間短縮にびびっていたがすぐに完全週休二日制で火曜水曜定休にした。

胸張って自分は経営者と言えるようになるためには行動と経験が必要だと思ったからだ。


普通に考えると、できる限り店を開けておきたいと思うのが経営者の心理だ。


でもスタッフ数が変わるわけじゃないから、週に取れる予約数は結局変わらない。
むしろ、そうしたことでスタッフは毎週2連休となり、営業時間中も人手不足のストレスを感じることなく仕事に専念できた。
休みが増えることでスタッフにもゆとりが生まれた。
いいことだらけだった。

そして一時的に売り上げは減ったものの、すぐに取り戻し以前の売り上げを超えていった。

行動した人間だけが見える景色があることをこの頃から気づき始めた。

同時に、やったことないけど聞いたことあるってことを言う先輩経営者が多いことも知った。

自分がやったほうがいいと思った経営を優先した方が従業員も自分も豊かになれると思ったのもこの頃だった。

そしてこの頃営業時間をまた少し見直していた。


9時〜19時から、


平日は9:30〜18:30土日祝は9時〜19時に変更した。
月労働時間216H(祝1で)だ。
以前から34Hは減った。
土日は固定残業代として支給していた。


単純に給料だけをあげても労働環境の問題は改善されない。問題なのは長時間拘束とそれに見合わない給与だからだ。


この頃はどちらかというと、環境を給与に合わせていった感じが強い。

スタッフの手取り自体はそこまで変わらなかったが、人時生産性はどんどん上がっていった。
簡単に言えば時給だ。


そしてこの時はまだ有給には触れずそっとしていた。

ママサロンによる副産物

2店舗目がママサロンに切り替わった。

ママサロンの労働環境は超振り切った特別な環境だ。


今までの自分ではいきなりこれはできない。

徐々にやってもこの環境に行き着くのにどれくらいかかるだろうか?


しかし、やらざるおえない状況に追い込まれ、一瞬だった。


人はすぐに集まったが大赤字状態。


自分の成長のため損切りはせず続けた。


長かったがママサロンの赤字を切り抜けた。


それは経営者として根拠のある集客、リピート対策を行って出した結果だった。

いろいろ本を読み、実践して学んだ。

赤字でもう失うものはないからあらゆるテストをした。

当時知り合い経営者からは

「休みの日にそんなになんの仕事があるの?」

と聞かれたり、

「人生一度きりなんだから楽しまないと」

となんとも浅はかな応援もいただいたが気にせずやってよかった。

なにより経営者として結果を出せたことが本当に嬉しかった。

「選んだ道が正解」だ。


ただ、ママサロンは本当にすぐに応募があるのだが、一般サロンはなかなか来なかた。

そこで思った。

ママサロンで得たことを活かそう。


ママサロンでは、先に求職者像を決めた。

そしてその求職者が求めている環境や、悩みを徹底的に排除した環境を作った。

そのことで共感してくれる人たちが集まった。

本店も集客と同じペルソナの考えでいこう。


今はもう、長時間労働の売り上げ構成に頼る「ただの店の持ち主美容師」ではない。

経営者だ。

設定した枠で利益を出せるようになった。

だからママサロンのようにわかりやすく振り切ってしまえと思ったのだ。


そこでまず、働く人物像を「プライベートと美容師を両立させたい人」に設定した。

・美容師のやりがいある仕事は続けたい、

・美容師の長い拘束時間から解放されたい

・美容師の低賃金じゃなく常識的な給与が欲しい、

逆に、

・時間関係なくガンガン稼ぎたい、

・独立のために店長経験や教育にも携わりたい

と言う出世欲のある人は不向きになった。

それによって一般サロンの環境も、

・9〜18時閉店(土日祝も。休憩1時間)

・完全週休二日制+1日(月9休) 
 └年間公休日数116日

・有給法定通り付与 
 └土日祝取得可

・月労働時間198Hに変えた。


サロンの求める人材を絞ることで余計な業務、メニュー、カリキュラムがゴッゾリなくなる。

独立支援や店長の仕事、育成プログラムなど少しづつ作っていたものを潔く一気にやめた。

アシスタントなしのスタイリストのみのサロンにした。

メニューを見直し、余計なメニューは削除した。そのことで入社後の研修も少なくなるし、教えるスタッフの残業時間をなくすことができる。


人を揃えたいからといって入り口を広げるのはいいことが何一つないと思った。

それは会社もスタッフも、本心とは違う余計な業務が増えるだけだからだ。

そんな本心とは違う業務をしている心当たりはないだろうか?


こうして、ママサロンだけでなく会社全体がプライベートと仕事を両立できる環境になっていったのだ。

うわべだけの聞こえのいい求人用の言葉ではなく、全ての辻褄が合い始めていた。


するとどうだろう、

2レーベル通して見て、独身からママまで女性が人生設計を優先しやすい環境になったことに気づいた。

従来の美容師の環境にありがちな、結婚と出産のタイミングの不安がママサロンという受け皿があることでなくなった。

もちろんママ美容師として働き方に悩んでいる方が直接そっちにいってもいい。


この際、女性美容師の人生に寄り添った会社に特化していこうと思った。

すでに僕以外は全員女性だったし、やりがも感じていた。

やるなら振り切れだ。


前述したように、余計な業務は削ぎ落とされるし、やるべきことだけに僕の仕事は集中でき、よりスピーディーに事業を成長していける手応えも感じた。

それは結果的にスタッフの豊かさに重要なことだ。


これが「女性美容師が安心して生涯働ける会社」の成り立ちと根拠だ。思いつきではなくプロセスがある。

残す問題は短い勤務時間に対する売り上げ=給与の問題だ。

最後の砦、単価と給料の見直し

実は長時間労働が改善さえれた時点でほぼそれに見合った賃金にはなってはいるが、一般水準に比べ低いという状態を改善したかった。


まず、同年代の友達や同じ境遇の人たちと同じくらいの収入、そしてその上も「現実的に」考えて可能であることを目指した。


「現実的に」を強調したのは、意外と給与テーブルの設定に現実味がない会社が多いからだ。

「月給40万も可能っていうけどこの単価でこのスタッフ数でその売り上げは無理でしょ!?」

「結局長く働けってことでしょ?」

って蟻地獄のような設定が多い。


そこでうちが設定したのが、

「ママサロンの月労働時間で、アシスタントなしの1人でも月給30万円が可能な単価設定」だ。

ママサロンの労働時間で設定しておけば一般サロンでもクリアできるからママサロンを基準にした。


どのくらい支給したいか?

から逆算して単価設定しないと、給与テーブルに矛盾が出る。

月の労働時間が決まっていて、さらに支給したい額が決まっているなら自ずと必要な最低時間単価は決まってしまうからだ。


その最低時間単価より低い価格設定では、長時間、ヘルプ、客数のいずれかありきの売り上げ構成になる。

それでは拘束時間は改善できないし、経営に不安定さが生まれる(詳細は省く)


労働時間と支給したい額に連動した単価にしないと、矛盾のある仕組みになってしまうということだ。


ここを改善すべくすでに新しい価格のメニューは出来上がっている。

3月からテスト始動する予定だ。


値段をあげる際にお客様の反応はどうしても気になってしまう。

しかし環境や業界を変えていかなければ成り手は増えないし、離職率もとまらない。

お客様(集客)だけを見た金額設定では、集客できても労働環境は改善されない。

結果的に予約が取りづらい、待たされるなどお客様にしわよせがいく。

悪循環だ。


ごく普通の労働環境にして算出された時間単価こそが、本来の美容室の価格なんだとご理解していただけるよう取り組んでいくしかない。

僕たちのビジネスは時間と密接に関係するからだ。


このように長時間拘束と低賃金、この二つを絵空事ではなく超現実的な根拠に基づいて改善してきた。

そしてその過程で女性美容師が生涯通して働きやすい環境ができた。

自分も経営者として成長できた。

これまで僕を信じてついてきてくれたスタッフには本当に感謝しかない。

お客様、スタッフに必ず還元する。


今後の報告をお楽しみに!


PS

ホームページのリンクがTwitter上に貼られていないのは、実はいま大改装中で2月末には完成する。

ここまで書いているのに未だ店舗名まで書いていないのはあまり今のHPを見られたくないからだ(笑)

もし、何らかの形で今のうちのHPに行き着いてしまったら見なかったことにしてほしい。

それでは。

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