美容師が美味しいビールを飲む唯一の方法〜カトゥーン日記〜

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都内のシェアサロンにてフリーランス美容師をやております加藤と申します。

腕を組む男性

そんな僕は郊外にある地域密着型サロンで正社員として9年、同サロンにて業務委託を3年経験し、現在面貸し3年目のフリーランス美容師6年目です。

この『TOOL MAGAZINE』では自身の現在進行形な経験を生かして【カトゥーン日記】と題しリアルなフリーランス美容師のあんなことやこんなこと、『え、そんなことまで言っちゃっていいの?』的なことを発信していけたらいいなと思っております。



スーパーウルトラお久しぶりな第21回目の今回は、

『美容師が美味しいビールを飲む唯一の方法』

というテーマで書いていきたいと思います。


・・・


は?って感じですよね。笑


今回の記事はこんな方にオススメ。

・フリーランスとしてできることが何か知りたい

・フリーランスだからできることが何か知りたい

・美味しいビールを飲む方法が知りたい



美容師の中でも働き方が多様化する中、それぞれの環境においてお客様が求めるものとお客様に提供できる価値は違うと思っています。


とはいえお客様からしてみたら僕たちは同じ美容師であることに違いはありません。

お客様に聞かずとも求められているものを理解しそれに見合った価値を提供することが必要だと思っています。

正社員→業務委託→面貸し(現在)と、一通りの働き方を経験させていただき、お客様の声を聞いた中で僕が思ったことや感じたことについてお話ししていきたいと思います。



さぁ、無事美味しいビールを飲む方法まで辿り着けるでしょうか。


久しぶりのTOOL MAGAZINE(ex.美容ツイサロマガジン)なので書き方忘れているかもしれませんが暖かい目で見守ってください。笑

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美容師としての価値とは?

values


いきなり美容師としての核心的なところな感じではありますが、、、。

大きな括りでいうと僕ら美容師の「価値」というのはやはりどれだけお客様に喜んでいたでけるか、そして期待や要望に応えることは勿論どれだけそれを超えることができるかだと思っています。


『おい加藤、そんなのわかってるよ』


いやはやごもっとも、大変失礼いたしました。

とはいえこの期待や要望というのお客様によって求めるものは違うと思っています。

もちろん美容師は技術職なのでカットやカラー、パーマなどの技術という価値は絶対的に提供しなければいけません。

大前提としてお客様はその価値を求めて来店されます。


でもどうでしょう?


『仕上がりは完璧で見せてもらった写真の通りのスタイルを提供できた、必ず再来するだろうしなんなら指名で戻ってくるに違いない!』

自信満々にお見送りしたお客様が指名はおろか二度と来店されることはなかったなんて経験ありませんか?

新規で担当させていただいたお客様だけでなくリピートしていただいていたお客様に関してもです。

ちなみに僕はこの十数年、思い当たる節はめちゃくちゃあります。

自分の技術が及んでなかったことが原因だったかもしれませんし、お客様に何かしらの都合があったのかもしれません。

ただ僕はお客様が求めるものを理解して100%提供できていたかと問われると、自信を持って『はい!』と言い切ることができません。

お客様が求めていたものを自分は提供できていなかった可能性は大いにあります。

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お客様が求めているものを理解するということ。

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美容室にいらっしゃるお客様の中にはいろんな方がいらっしゃいます。

・現実を忘れ癒しを求めてくる方

・時間がなくて急いでいる方

・美容室という空間が苦手な方

・おしゃべりを楽しみたい方

・その反対におしゃべりはしたくない方

・髪の悩みを聞いて欲しい方

・いろんな髪型の提案やアドバイスをしてほしい方

・劇的な見た目の変化を求める方

・ちょっとだけ整えたい方

・忙しい合間をぬって来てくださる方



まだまだたくさんあるとは思いますがヘアスタイルを提供することは勿論、どれだけお客様のパーソナルな期待と要望に気がつき理解し、価値を提供できるかが大事だと思っています。



ここで少し正社員として勤めていた頃の話をさせていただきます。

スタイリストになりたての頃に入客させていただいた新規のお客様とのエピソードです。


最初のカウンセリングはこんな感じでした。

・普段は3週間に一度1000円カットに行っている

・いつものところがたまたま休みだった

・オーダーは伸びた分だけ切って欲しい


なんてことないショートレイヤーのお客様で僕は伸びた分であろう1センチ弱をバックからカットしていました。

10分ほど経った頃経った頃でしょうか、突然『まだ終わらないの?』とお叱りを受けました。

お互い喋らず、沈黙のさなかの急な言葉だったのでカトゥーンはポカーンでした。


スタイリスト初心者マークの僕はまだカットに慎重になりすぎていたせいもあったのですが『イヤイヤ、まだ10分しかたってないじゃないか!なんでそんなことで怒るんだよ!こっちは丁寧に切ってるんだ、てやんでぃ!』とフロアの中心で愚痴を叫びました。(心の中でね)


でもよくよく考えると僕がお客様の期待と要望を「伸びた分だけ切る」だけだと勘違いし、その先に求められているものを理解できていなかった可能性があったんです。

そもそもそのお客様はなぜ1000円カットに行っていたのか?


僕は一方的に『安く済ませたいから1000円カットに行ってたんだろうな、だったら丁寧に時間をかけてカットしてあげよう。』と決めつけていました。

でももしかしたら美容院が苦手な方なのか、忙しい方なのか色んな理由であまり時間をかけたくなくて1000円カットに通ってたのかもしれません。

料金ではなく時間というものに価値を感じて。

基本的に10分前後で仕上げてくれる1000円カットに比べて僕は同じ時間で後ろのアウトラインしか切れていませんでした。

もしかしたらそのお客様が僕に求めていたモノが、「丁寧に時間をかけたカット」ではなく「丁寧で早いカット」だったのであれば当然カトゥーンは失格です。

仮にオーダー通りの髪型を提供できていたとしても、お客様の期待や要望に応えることができていなかったのであれば、そのお客様の求める価値を提供できていなかったことになります。

美容師アシスタントの難しさ

人指し指


アシスタントとしての下積み時代というのは色々なところに意識を張り巡らしフル稼働しなければいけない、スタイリストになるための大事な時期です。


僕はアシスタント時代、「アシスタントの仕事はスタイリストの留守を守ることだ」と教わりました。


これはスタイリストと同等の技術や接客をお客様に提供できるようにいかに「分身」になれるか、という教えでした。

そしてお店全体を見て先輩スタイリストがスムーズに動けるよう自分自身はどう動けばいいか考えつつ、さらにお客様に不安や不満を与えないようフォローしながら満足いただけるように動く。

これでもかというくらい頭も体もフル回転で動き回る。


例えばお話をするのが好きなお客様で、先輩スタイリストがカットをしながら楽しくお話ししてたとします。

そしてアフターカラーでスタイリストとバトンタッチ。

アシスタントがカラー塗布を任されたとしましょう。
(初めて全頭一人塗りを任せてもらえた時の感動、覚えていますか?)

塗布ムラがないよう、そして先輩の技術とそん色がないよう手元に集中するあまり急にお客様との会話をストップさせてしまいました。

この時点で技術という価値はお客様に提供できているかもしれませんがスタイリストの留守を守れていない、つまり「楽しくお話がしたい」というお客様の要望に応えることができていません。


ちなみに僕はアシスタントの頃これでよく怒られました。

きっと同じ経験のある美容師さんも多いはず。


なんならこの逆パターンもありました。

お話が好きなお客様というのはきちんと理解した上で今度はお話に集中しすぎるあまり13トーンのリタッチに30分ほど時間をかけてしまい、根元を飛ばしたことだってあります。


・・・もうね、引くほど怒られましたよね。笑
13トーンをベタ塗りで30分ですよ?笑
一回流してもう一度重ね直しましたもん、先輩が。笑


そりゃ怒られますよね。

お客様の大切な時間を奪ってしまっただけでなく今度はお客様が大前提として求めている仕上がりですら提供できなかったんですから。。。

これもし時間がなくて急いでいたお客様だったら「なるべく早く帰りたい」という要望にも答えることができていなかったことになります。

僕が一刻も早く帰りたくなったことは言うまでもないですが。笑


お店全体の流れを把握して技術を学び提供した上でお客様の求めるものをきちんと理解できる。

それにプラスして自分の色を出せる。


こんなアシスタント時代を経て技術者になったスタイリストさんが俗に言う売れっ子になれるんだろうなと思います。

フリーランス美容師としての価値とお客様に求められているものを考える

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現在の僕自身の働き方でお話をさせていただきます。


僕は会社に属することなくフリーランスとして個人でお客様を集客し施術させていただいています。

当然アシスタントもおらずマンツーマンでお客様対応させていただいているので仮にお客様が不満に思い、期待や要望に応えることができなければ全ては僕自身の責任になります。

これはもう当然、言い逃れはできません。


フリーランス美容師は比較的自由な時間とお金が手に入りやすいと言われていますが、そのうちのお金に関していうと総売や客単価は勿論ですが「時間単価」が一番大事と言われます。


例えばカット料金が1万円だったとして9時から21時までの間に12名のお客様をカットしたとします。

1日の売り上げは12万円なり一人当たりにかける時間は平均は1時間なので時間単価は1万円です。

自由な時間が手に入りやすいので自分の時間は自分でコントロールして捻出することができます。


ここで、僕らにとって大事とされる時間単価を上げるために早く手を動かし技術に集中し、9時から15時までの6時間にのあいだに12名のお客様を詰め込んだとします。

こうすると一人にかける時間は半分の30分になり時間単価は倍の2万円になります。

それとともに残りの6時間で自由な時間を捻出することができます。

自由な時間が手に入ることで自分も満足し、マンツーマンで施術することでお客様も満足してくれる。

なおかつ短い時間のサロンワークで手取りの収入が増える。


フリーランス感出てるぅ~♩とは思うのですが、果たしてこれでいいのかと僕は考えてしまいます。


時間単価の上げ方と時間の作り方はこうじゃない。


確かに一人にかける時間を減らせば客単価ではそのままで時間単価を上げることができ削った時間で自由な時間ができます。

とはいえ僕らフリーランス美容師はこのやり方をするとお客様はだんだん離れていき将来的に詰むと思ってます。

これは丁寧に時間をかけてカットすればお客様は満足していただけるというわけではくて、僕の考えはその逆。

大前提としてこちらの時間単価を意識した早い施術はお客様にとっては関係なく、そもそも選ぶべき優先順位的としてとにかく早く帰りたいと思って来店されるお客様は少ないはずであると思っているからです。


極端な話ですがお勤めであろうがフリーランスであろうが美容師が発信するSNSやクーポンサイトなどをみて『この美容師さん(美容室)なら早い時間で仕上げてくれそう』と思っていらっしゃる方はそうそういないと思うんですよね。


とはいえ先ほどお話しした1000円カットであれば話は別です。


短い時間で手軽に利用できるという圧倒的な価値にメリットを感じていらっしゃる方も当然いらっしゃるでしょうし、僕のお客様でもどうしても時間がなくて仕事ごと仕事の合間に切ってきたという方もいらっしゃいます。

僕は全然推奨しますし、お客様のその時の状況や環境にあった美容室選びは大事だと思っています。

ただ僕たちが勝負する価値はそこではなく、自分のところに来てくださったお客様が自分に何を求めているかをきちんと考えて応える事ができるかというのが価値だと思っています。


特に僕はブログでメンズのお悩み解決について発信をしているため、その発信を見ていらしたお客様は何かしらの悩みをかかえてらっしゃるはずなんです。

であればこちらの都合で無理に作った時間の中での時間単価を考えたパフォーマンスをしてしまうとお客様の求めているものを提供できていないことになります。

・悩みをを聞く

・共理解して感する

・改善策を提案する

・髪型を作る



ハサミを動かしている時間がどうこうではありません。

どれだけ熱量を持って寄り添うことができるかが僕がお客様に提供できる価値だと思っています。


とはいえ時と場合によっては急いでいるお客様もいらっしゃるかと思いますし、その時の状況やお客様にあった時間のかけ方は考慮しなくてはいけません。


ただあくまで美容師はファーストフードや牛丼チェーン店のように必ずしも「早い、安い、上手い(美味い)」の三拍子がウケるというわけでもありません。


低単価×マンツーマンで働いていた時代は自分の売り上げを立てるためにも1日にたくさんのお客様をこなす必要がありました。

カットカラーであれば早い方で1時間ほどで仕上げていたように思います。

「早い、安い、上手い」を目指していたんですね、きっと。


お客様によっては『早過ぎない?ちゃんとやった?』と、クレームではないですがこんな風に不信感を抱かせてしまうこともありました。

お客様とのコミュニケーションや髪の毛についての悩み、スタイリング剤やシャンプーの話、ほとんどスルーしていかに早い時間でしっかりとした技術を提供できるかだけを考えていたんです。



少し話は逸れてしまいましたが、特に僕らフリーランスはこれではダメだと思うんです。

お客様との距離が近くなった分、より一層密な関係を構築しなくてはいけない。

施術に時間をかけるということではなく、お客様との関係性をさらに深めるために時間をかけるべきなんです。

その関係性が僕ら美容師にとって何よりの資産であり価値であり、たくさんある美容室や美容師の中からこれからも選んでいただき長くお付き合いをさせていただくのに必要な要素になってくると思っています。

最後に

「早い、安い、上手い」に取り憑かれていた当時の僕は、夜寝る前に次の日のサロンワークの組み立てを頭の中でイメージしていました。

『えーっと、、、何時にあの人が来るから何分でカットして何分でカラー塗って何分放置して、その間にこの人カットして。。。』


事前にイメージすることこはスタイリストであれアシスタントであれサロンワークを円滑に進めるために大事なことです。

ですが毎日こんなことばかり考えていたことで、いざ一人サロンワークになると目の前の施術で手いっぱいになり本当にお客様が求めているものや自分の価値がわからなくなっていました。

とはいえこれは僕自身のキャパが狭すぎた故の結果であり、どんな働き方においてもたくさんのお客様に満足してもらえるように自分がどんな価値を提供できるか理解しサロンワークをされている美容師さんはたくさんいます。

本当に純粋に尊敬します。


ただ僕にはできませんでした。


そして自分の価値をどうやったらより高めることができるかをふと考えた時、その答えがフリーランスという働き方でした。

働き方を変えた今は、明日あの人が来るからこんな話してみようとか、こないだオススメしたシャンプーどうだったかなとか、オススメされた映画見たから感想お伝えしようとかそんなことを考えて寝るようになりました。

でもたまに不意打ちで『今日は〇〇時までに出たいから急いでね!』とか言われると燃えますけどね笑



色々回りくどく書いてきましたが最後に一言。

お客様が求めているものちゃんと理解し、自分の価値を最大限に引き出せる働き方であればなんだっていいと思います。

そんなホクホクした働き方をした1日の終わりに飲むビールはどう考えたって最高に美味しいはず。



僕はそう思います、乾杯。   ~Fin~

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