「美容師国家試験科目の検討」いったいなぜ?

技術

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先日から美容業界では話題となっている「美容国家試験科目の見直し」について

噛み砕きながら解説していきましょう。

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美容サロンに関する議員勉強会

ことの発端は、とある日のニュースからでした。

6月4日に自民党の有志によるグループが時代に合っていない試験科目があるとして「即戦力となる実践的教育の必要性などをまとめた提言」を河野規制改革担当相に提出しました。
今後は美容師免許を所管する厚生労働省と協議して検討を進めるという。
美容業界も「現在の試験のままでは今必要な技術を卒業後、就職してから学び直さなくてはならず、すぐに稼げず体力的にもきつく辞めてしまう。そのためなかなか次世代の美容師が育たず経営難となる悪循環が生まれている」と試験科目見直しの必要性を訴えている。

「イット!」6月29日放送分より

これはSNS内でも美容師の多くが反応をし、賛否様々な意見が上がりました。

特に今回の焦点となったのは「オールウェーブ」という技術、現在美容師をされいる方のほとんどがこの技術を美容学校で教わってきたのではないでしょうか?


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そもそもオールウェーブとは何か?

美容師として仕事をしたいと考えている人にとって、避けて通れないのが美容師国家試験です。

専門的な知識を学ぶことができる厚生労働省指定の学校を修学した後、国家試験の筆記試験と実技試験の両方に合格することで美容師となることができます。

実技試験では、第一課題であるカットのほかに、第二課題としてワインディング、またはオールウェーブが審査され、筆記試験とそれぞれについての判定が行われます。

ワインディング(図左)は見たことがある方もいらっしゃるかも知れません。

サロンでは、パーマをする際に必要な基本技術のことです。

では、もう一つのオールウェーブとはなんでしょうか?


オールウェーブ

「オールウェーブ」という技術はそもそも

フィンガーウェーブ”と”ピンカール”の2種類で構成される技術試験科目です。

フィンガーウェーブ
髪にウェーブを作る基礎技術の一つで、1930年代にヘアセットをする際に多く応用された。主に、セットローション等のスタイリング剤を使いコーム(櫛)と手指で作るウェーブのことです。
ヘアアイロンが初めて世界に登場し髪を巻く技術が初めて使われた「マルセルウェーブ」が由来となっています。

ピンカール
髪にカールを作る基礎技術の一つで、フィンガーウェーブと近い時期の1935年ごろに流行となった。セットローション等のスタイリング剤を使い、指で丸めてアメリカンピンなどでとめるカールのことです。
当時のピンカールなどは、ドライヤーのない時代なのでそのまま眠ったりもしたみたいです。

現在ではレトロスタイルなヘアセット等で用いられることはあるが、サロンメニューとして展開しているところはごく僅かとなっています。


参考元はこちらの動画から、眺めているだけでもシンプルに面白いです。


今は使われていない技術

「日本美容サロン協議会」が現役美容師を対象に実施したアンケートでは、実技試験で「今は使っていない技術」にオールウェーブを挙げた人が35%に上っています。

美容師としては「35%でも少ないのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

内訳をみてみると

・オールウェーブセッティング:35.3%
・フィンガーウェーブ:33:4%
・ピンカール:12.8%

が上位を占めており、トータル81.5%もの割合が美容国家試験で取り組む技術で今は使っていない技術としての結果となりました。

とはいえ、直接的には使用していない技術だとしても、正しい姿勢や、コームの使い方を学ぶには必要な項目でもあるとする声もあリ、全く何の役にも立たないというわけではありません。


美容専門学校に定められている教科科目の授業数

美容師試験は、 「学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 56 条に 規定する者であって、厚生労働大臣の指定した美容師養成施設において厚生労働省令で定める期間以上美容師になるのに必要な知識及び技能を修得したものでなければ受けることができない。」とされています。

そのために必要な教育科目の授業数は2000時間とされており

必修科目が1400時間
(関係法規・制度、衛生管理、美容保健、美容の物理・化学、美容文化論、美容技術理論、美容運営管理、美容実習)

選択必修科目が600時間と定められています。

このうち、オールウェーブの技術にあてる時間数は美容実習で必要な時間数800時間のうちの約100時間以上を要しているため、「資格が実践的でない」との指摘があり、美容学生からは「古いパーマの習得に充てる時間を、流行のパーマやカラーリングを学ぶ時間に充てたい」との要望が出ています。


実際取材で編集長が直接学生への聞き取りをした際にも同様の声をひろう機会が多く

「コテでのスタイリング方法を学びたい」
「縮毛矯正やカットの勉強をしたい」
「現場で使えるヘアアレンジを知りたい」

など、より現場向けの技術や理論を学びたいとする要望は様々なところから耳にすることがあります。

今回の一件でどのような変化があるかはまだ未定ですが、試験内容の変更には、政省令改正や通知による運用の見直しが必要なため、今後、美容師資格を所管する厚生労働省と協議して検討を進める方針だそうです。

今後の流れによっては業界の離職問題や卒業後の学び直しのアシスタント期間の短縮など改善に向かう可能性もあるので注目していきたいですね。

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