武勇伝を語りたい訳ではない。

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美容師の武勇伝って?

昔はよく練習したよー(じゃあ。なぜ今やらないんだ…)

昔はよく怒られたよー(今はあなたが怒ってますよ。)

昔はモテたよー(で?)

きっと今の若者からしたら、だから何なんですか?なんてことが多いだろう。

武勇伝とは

勇ましい手柄話

勇ましいエピソードのこと。

Webio辞書より

ワタシも武勇伝として語りたいわけではない。

ただ、こんな想いで美容師をしていると伝えたい。

アナログなワタシが、たまたまTwitterで、奇跡的に出会ったこのTOOL MAGAZINE で。

20年前の美容師って…

今は、ほぼほぼ存在していないと思うが、なんせ先輩と後輩の関係がゴリゴリの体育会系だった。

しかもその上には先生という存在が…(この存在は先輩とは全くもって違う。さらなる上をいく独特なモノであるが故…また今度話したいと思います。)

運動系クラブ活動に勤しんだ方なら当たり前なのだろうが、ワタシは文化系ゆるゆるクラブ活動しかした事がなかったので、もうビビるしかなかった…

・絶対に先輩より早く来ていないといけない。

・先輩が立って、後輩が座っているなんて言語道断。

・自分がタバコを吸わなくても、先輩が使った灰皿を綺麗にしなければならない。

・先輩がブローして。と言えば有無を言わさずブローandセット(下手なら怒られる)

・違うロッドを渡したら、明後日の方向に投げられる(捨てられる)

こんな美容室だったら、今は確実にパワハラと言われるだろう。

ただ、ワタシが育った環境は。ワタシの時代は。これが当たり前だったのだ。

だから、ワタシ達の世代ってすごくない?ってコトを言いたいのではなく。

当たり前だったからこそ良かったコトもあって。

もちろん良くないコトだってある。

何かおかしくないか?と疑問を思いながらも、当たり前に過ごしてきてしまった。

なぜなら、他を知る術がなかったから。

当たり前を越える為に。

なんでこんなに怒られるんだろう?

なんでこんなに出来ないんだろう?

お客様を可愛くして、毎日毎日楽しく過ごしたいと思い、なるべくしてなった美容師だったが、思い描いていた美容師生活とは程遠くて。

・レッスンは毎日夜遅くまで。

・お昼ごはんは決まった時間に食べられない。

・食べられない日だってある。

・先輩より先にお昼ごはんに行くのは気が引ける。

・朝練も当たり前。

あれもそれもこれも当たり前で。

ただただ忙しい…

そしてこんなにやっていてもまだ出来ない自分に腹が立つ。だけど、やるしかない。

ある時。先輩に逆ギレするが如く言ってしまった。

こんなに色んな事やっているのに、報われません。

『そーなん!?じゃあ辞めたら?』

びっくりした。

そんな答えが返ってくると思ってないから、悲しかった。

え?ワタシは何のためにやってきたんだ?

まさかそんなにあっさりと『辞めたら?』って言われるなんて思ってなかったから。

だから考えた。

何の為にやってきたんだっけ?

いつのまにか、こなすだけの毎日になっていて、忘れてたんだ。

なんだかんだ言うて自分の為。

結局は自分。

自分がなりたくてなった、美容師。

出来ないからって、腹を立てたって、変わらない。

だから練習する。

この主従関係だって、しょうがない。

それが嫌なら辞めるしかない。

辞めないなら諦めない。それしかない。

そう、それしかなかったんだ。

自分の為に、もがいて頑張ったから今がある。

お客様にこのスタイルをして欲しい!と言われても、出来ないです…と言うのが恥ずかしいからめちゃくちゃ練習する。

お金を払ってでも外部に習いに行く。お金を払えば手に入る。練習すれば手に入る。

先輩の理不尽さに腹が立つ事もあったが、絶対指名数を超えてやる!と口には出さないが秘めた闘志があったからこそ得たお客様。

ワタシに後輩が出来たら、絶対にしんどい辛い思いはさせない!と心に決めたからこそ、わかりやすく優しく教育出来るようになった。

過去はその人が過ごした軌跡。

自慢の軌跡でもある。

その人にとったらだが。

しかし、その体験は誰にでも経験出来るモノでもない。

偉そうに言うから聞きたくないになるのかもしれないけれど。

人の武勇伝聞いて。

え?だから?それで?今は?どうなん?って思うってことは…


自分はできてるねんな?

え?どうなんだい?

武勇伝を聞いて、はぁ…まただよ…ではなく。

自分がもし同じ立場だったらどうなんだろう?

仮想から思う自分の行動。そこからまた新しい未来を構想できるのではないだろうか?

過去があるから未来がある。それは当たり前。

生きてきた道が違うんだから、何通りもの方法がある。過去は変えられないが未来の道筋は無数にある。選択肢が増える事に向き合わないなんてもったいない!

やらないなんて、もったいない!

まだまだ上を見れるじゃない!

だからワタシは。

まだまだ武勇伝を語る歳ではない!

と思っている。

なぜなら、まだまだペーペーですので☺️

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