「働き方の多様性」が一般的なワードになった中で、近年美容師に限らず様々な職種がここについて考えたり、変化を求められる機会が多かったかと思います。
え?知らない?これですこれ。
【第2節 働き方の多様化に向けて求められる変革】
第2章 労働市場の多様化とその課題 第2節
多様な人材が活躍するためには、多様な働き方の実現に向けて長時間労働の是正等の働き方改革を進めていくことや、多様なキャリア形成が可能となるようリカレント教育の充実等を図っていくことが重要となる。また、受け入れ側の企業においても、多様な人材の活躍を促進しようとした場合、多様性を受容できるような制度を整えることが必要である。女性や高齢者など多様な人材が労働参加するためには、働き方の面では、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方やワーク・ライフ・バランス(WLB)の改善が必要であるとともに、人事管理の面からは年功主義によらない評価制度の導入や、多様な人材の意思疎通の円滑化等の管理能力を高める必要がある。
特にSNSの中では非常に盛んなトピックスでしたね。
「副業」や「ワークライフバランス」などのキーワードをよく目にする機会が増えたのはいい例でしょう。
多様性と言われているわけですから、今ままでの働き方に対する一般常識やあり方から少なからず変化をしてきているわけですね。
要するに「まあ、そんな働き方もありだよね」が広く認められるように、もしくは認めざるをえない時代になってきたということなんでしょう。
遅くなりました、どうもくらた編集長です。
今日は働き方の多様性について感じることを少しコラム的な記事として書いてみようかと思います。
すごーく端的に結論だけ先にお伝えしておくと「別に無理に変える必要なんかない」ってことになります。
ないんかい!って感じですがそのツッコミはひとまず置いといて、少なくとも皆さんが心のどこかに引っかかってる言葉なんじゃないかなと勝手に思ってます。
特にTwitterなどは「働き方変えたらこんなふうになりましたー!」みたいな人の発信は目に留まりやすいですよね。
その人を真似る様な働き方をすることの方が圧倒的に少ないんでしょうけど、「なんかこのままでいいのかな?」なんて言いようのない不安にかられる機会は少なくともあるはず。
だって僕がそうだもの。
だからと言って変化をしない人はだめなのか?と言われたらそれはNOと言い切れます。
その辺りなんで変える必要がないのかをまとめていきますのでよかったらお付き合いください。
働きたい気持ちの変化はあるのか?
職種が限定されることかもしれませんが、時代が変化しても変わらない要素があります。
それは「若者たちがその職業を通してやりたいと感じていること」です。
美容師を目指す若者の多くはざっくり言えば「美容を通じてお客様もしくは世の中に価値を提供したい」という思いを持っています。
発せられる言葉のニュアンスは年代によって違いはありますが、大きくは変化していません。
ケーキ屋さんを目指す人が「ケーキを作りたいからケーキ屋さんになりたいです」が変わらなのと同じです。
(変わってたらホントごめんなさい)
そう考えると職人業だからこそ不変の要素なのかもしれませんね。
若者が目指すベクトルが大きく変わらない中で「働き方の多様性」の打ち出しは果たして彼らに本当に必要なのでしょうか?
それはNOですよね。
特に初期の頃からそこまで想定をして仕事をする人は多くはないのではないでしょうか?
少なくとも美容師として活躍をしたいと思う人材の方が圧倒的に多い中で多様性は”邪魔な要素”になり得ます。
変化が求められるとしたら、労働環境の改善とそれによる業務効率の上昇ですね。
無駄な時間をなくすってことです。
私がアシスタントの頃はカルテが紙だったんですが、翌日のカルテを出しておく作業に1時間も使ったりとかザラにありました。
まじでなんだったんでしょうあのなんの生産性もない時間。
それが今は電子化して5分と経たずに翌日の準備が終わらせられるようになってるんですから、これは業務効率の上昇になりますよね。
その分自分の時間に充てることができるわけですから必要な変化ですよね。
そういった要素ではなく、美容師という職業を真正面から受け止めている若者たちに対して大人たちが
「あれをやれ、これをやれ」と横槍を入れるのは彼らにとっては雑音だし迷わせるささやきでしかないです。
「目の前以外分からねえから余計な口出ししないでくれよ!」が若者たちの本音でしょう。
特におじさん世代のアドバイスは美容師に直接的に関係するようなことじゃない場合が多いですからね…。
だからおじさん世代は嫌われるんだ。
必要としている人はもちろんいる
誰もが働き方の多様性を望んでいないといったら違いますよね。
例えば様々な事情により働きたくても働けない人々にとっては嬉しい変化でしょう。
2019年度末時点での従業美容師数が約54万人(※)いると言われている休眠美容師(免許を取得しているけど美容業に従事していない人たち)
この中には「時間」の制約により美容師になることが困難だと感じる人もいます。
こういった方たちにとって、自分の好きな時間で働くことができる環境が整っているのは再度美容師をチャレンジするきっかけにもなるわけです。
働き手不足の美容業界には休眠美容師にどう働いてもらうかは解決すべき課題の一つですしね。
※:令和元年 衛生行政報告例 概況
働く時間の課題に限らず、働き方の多様性により解消できることはあります。
例えば、スタイリストにならない選択肢を用意してあげてもいいかもしれません。
働けない事情が時間の経過によって解消する課題なのであればそれに合わせてカリキュラムを組んだりすることも考えられます。
このあたりは別の機会に書こうかな。
あとは方向性がガッチリ決まっている人も働き方の多様性の恩恵を受けているかもしれません。
働き方を選ぶことによって目指すゴールに向かいやすくなるのであればこの変化はとても重要な変化です。
働き方を多様化させるのは選択肢の一つ
話を戻しましょう。
「選択ができること」と「選択をしなければいけないこと」は違います。
これから美容師になる全ての若者たちが従来の仕事の仕方で食っていけないわけではありません。
食っていける美容師の数は美容師人口が変わらなければ日本人口の減少に伴って減少はするでしょうけどね。
美容師あたりの担当するお客様の数が減るわけですから。
とはいえ「美容師としてやっていきたい!」と望んでいる若者たちに少なくともおじさんたちが邪魔はしちゃいかんですよね。
目標に向かって爆走しているところにおじさんが「はーいとおせんぼ!この道ね!まっすぐ行ってもいいことないから右折した方がいいよ!まじでw」
みたいなこと言ってるのと同じようなもんですからね。
若者からしたら「うるせーよ!」の対象にしかなりません。
それならまだ「そのエンジンじゃ早く走れないからこれでも積んできな!(最新のエンジン)」くらいのアドバイスの方がいいですよね。
まとめ
少なくともチャレンジをしていない美容師に関しては「なんとか頑張っていこうぜ」としか言えませんが
働き方の多様性が認められた世の中で、多様性の変化についていかない人=チャレンジしてない人ではないってことです。
その道をまっすぐ進もうとしている人の邪魔をしちゃいけません。
多様性を認めるなら本線をまっすぐ進む人も認めるのが当然ですよね。
特に美容師を目指す若者の情熱の入り口は先述したように「美容を通じてお客様もしくは世の中に価値を提供したい」という方がほとんどです。
美容師が美容師をやり続けられる環境にしてあげるのが僕たちおじさんたちの責務です。
チャレンジの邪魔ではなく手助けができるイケてる中年目指していきましょう。
「くらたって誰?」そんな方のために自己紹介作りました。
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サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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