美容師の客単価論争に終止符を打つ記事

スタイリスト向け



こんにちはRyuho(リュウホ)です。

ぼくは神戸で小さな美容室を経営しながら、メイクアップアーティストとしても活動しています。

美容師歴は20年、メイク歴は10年です。

資生堂の「SABFA」という所の出身です。




突然ですが、あなたは美容師として、

・客単価がもう少し上がればいいのにな
・客単価を上げましょう
・客単価を上げなければ給料が上がらない

などといったことでお悩みではないでしょうか?


実際に様々なシーンで直面すること(したこと)があると思います。


「客単価」とは?




まずはじめに「客単価」とは何でしょうか?

客単価とは、1人のお客様がお支払いしていただく金額のことですよね。



お客様がお支払いしていただく金額はメニューによってバラバラです。

カットで¥5000のお客様もいれば、カラーリングとカットをして¥10000のお客様もいます。

さらに、それはお店によってもバラバラですよね。



たとえば、1日のお客様が

・カットのお客様(¥5000)
・カラーリングとカットのお客様(¥10000)

の2名だったとしたら、その日の客単価は¥7500です。



月間でこれを計算してみると、おおよその客単価がわかると思います。
(例:月間売上¥700000、お客様100名であれば、単価は¥7000)



とまぁここまではほとんどの方がご存知だと思います。

そんなことはわかってるよ

と、思いましたよね(笑)



では、「客単価¥7000は低いので¥1000アップして¥8000にしてください」と言われました。
(もしくは自分で思いました)



どうしますか?



おそらくほとんどの方が「トリートメントをおすすめします!」や「3Dカラーを提案します!」など、プラスワンメニューで単価を上げますよね


一生懸命お客様に提案して、頑張って頑張ってメニューを追加してもらう。


もしくは物販でも良いでしょう。



とにかくオーダーがあったメニューよりも、さらにプラスの提案で単価を上げますよね。



それが正解です。



実際それに取り組むことによって客単価を上げることは出来ます。

簡単ですね。

この記事はこれで終わりです。



、、


、、、。


とはいかないんですよね(笑)


客単価よりも時間単価



美容業界では、「客単価が¥7000の美容師さんよりも¥15000の美容師さんのほうが優れている」という風潮です。

つまり、客単価は高ければ高い方が良いということですね。(ぼくもそのような環境で育ちました)



とはいえ、一概に客単価は高い方が良いとは言えません


少し考えてみてください。



先ほど「客単価を上げるためにプラスワンメニューの提案をする」ということがありました。

もちろん客単価は上がるので、正解です。


しかし、同じく上がるものがあります。



それは「時間」です。



たとえば、カットとカラーリングだと2時間ですが、3Dカラーをするので2時間30分かかるとします。


この場合

①カットとカラーリング、2時間で¥10000
②カットとカラーリングと3Dカラー、3時間で¥13000

だとすると、もちろん客単価は②の方が¥3000高いです。


つまり、客単価で見ると②の方が高いということになります。



しかし

①の美容師さんは、1日6時間で3名のお客様を担当したので、¥10000×3名で¥30000の売上げでした。

②の美容師さんは、同じく1日6時間で2名のお客様を担当したので、¥13000×2名で¥26000の売上げでした。


んーーー!?


ってなりませんか?(笑)


そうですよね。

①の美容師さんの方が客単価は低いですが、1日の売上げは高いということです。



ただ単純に客単価が高ければ良いというわけではないことがわかりましたよね。



「客単価」を意識することはとても重要なことです。


「客単価が高い人は美容師として優秀」とまで言われることもありました。



しかし、大切なのは「時間単価」です。



時間単価とは、その時間に対する単価がいくらか?ということです。



たとえば、先ほどの①の美容師さんの1時間あたりの時間単価は¥5000です。(¥30000÷6時間)

②の美容師さんの1時間あたりの時間単価は¥4333です。(¥26000÷6時間)



もうおわかりですよね。

①の美容師さんより②の美容師さんの方が客単価は高かったですが、時間単価は低いです。



これで、「客単価が高い方が良い」とは言えないことがわかりましたよね。

なので、客単価は目安のひとつにしか過ぎず、必ずしも高い方が良いということではないということです。

客単価が高い方が良いというのは幻想です(笑)


それよりも「時間単価」がすごく大事ということがわかりましたよね。


では、時間単価を上げていくには何をすればいいのでしょうか?


時間単価を上げるのは結局練習



答えは簡単。


技術のスピードを上げていくことです。


たとえば、②の美容師さんの施術時間が2時間で終わることができれば、時間単価は一気に¥6500まで上がります

ということは何が大事でしょうか?


つまり、確実な技術が必要ということです。


では、スピーディーで確実な技術はどうやって手に入れるのでしょうか?


これも簡単ですね。


練習です。


毎日の地道な練習が必要です。


つまり何が言いたいかというと、今まで言われていた「客単価を上げることが良い」ということでもなく、「客単価を上げるのは提案力」ということでもありません。


大事なのは「時間単価」で、時間単価を上げるには確かな技術が必要ということです。


個人的な見解ですが、ぼく自身は、カットで「切る」行為、カラーリングで「塗る」行為、パーマで「巻く」行為は全て「作業」だと思っています。


デザインを売っている」という感覚で美容師をしていますので、「技術=手で作る行為」は全て作業です。


たとえば、仕上がりが同じクオリティなのであれば間違いなく時間が早い方がいいです。

お客様の負担も少ないですよね。

ぼくたち美容師は、お客様の貴重な時間を頂いています



これからはぜひ「客単価」よりも「時間単価」を意識してみてください。


時間単価を上げる方法は、技術の練習です。


ぼくたち美容師は練習ありき。



時間単価(客単価)が上がらないのは、技術レベルが上がっていないからです。

サロン全体の時間単価(客単価)が上がらないのは、サロン全体の技術レベルが上がっていないからです。


美容業界での客単価が低い、高いの論争はもう終わり。


また新たな視点を持って次に進みましょう。



ぜひ参考にしてみてください。


ではまた!




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