どうも、編集長のくらたです。
美容学生の質問に先輩である美容師たちがあーでもないこーでもない語り合う「教えて!先輩美容師」第三弾となります。
今回の美容学生さんからの質問はこちら。
美容師をやっていて”本当”によかったと思える瞬間は?
早速先輩美容師の意見を聞いていきましょう。
皆さんもよろしければ一緒に考えながら読んでみてください。
今回の登場人物
編集長、最近Twitterのアイコンが変わってご満悦
ヘイスさん、美容師コミュニティ”ETB”主催者。僕の英語の先生
おさむさん、カウンセリング美容師 Twitter
えみさん、”たえみオンラインサロン”主催者。ママ美容師
美容学生さん、美容理容それぞれの免許の取得を考えてる
まもさん、経営者。最近連続テレビ小説の「あぐり」を観てる
笑顔が見れて、対価を貰える
当たり前のことかもしれないですけど、仕上げた後のお客様の笑顔が見れることですかね。
これは間違いない。僕もそれが一番最初に思ったことでした。
例えば物でもサービスでもそうですがほとんどの仕事は、それを使ってるお客様の表情が見れる機会があまりないと思ってます。
その点、美容師は提供したその瞬間お客様の反応が見れるんですよ。
自分の技術で目の前の人に喜んでもらえることは、間違いなくやってて良かったと思えることですよね。
初っ端にど真ん中のストレートぶち込まれた気分ですがこれに尽きます。
間違いなく美容師冥利の一つですよね。
自身の仕事でお客様が喜んでくれる表情が”直接”見れて、さらにはお金を頂ける仕事。
その瞬間に感じるやりがいは何にも変えられないでしょう。
スタイリストになったときに初めてお客様から「ありがとう」の言葉を頂いたことは今でも忘れません。
実はお客様からもらってるものがたくさん
私たちって接客業じゃないですか?
仕事として会話が必要不可欠な側面はあると思うんです。今日のスタイルとかについてお伝えしたりとかね。
でもその一方でお客様からいろんなことを教えてもらってることも多いですよね。
教えるだけじゃなく、教えてもらってる!
例えばどんなことでしょう?
私はママ美容師なんだけど、子育てで分からないこととか悩んでることをお客様からアドバイスをもらえる機会がよくあるんですよ。
身近な先輩がお客様にたくさんいて、仕事をしながら先輩たちから色んなことを聞けちゃうって普通の仕事では味わえない良さですよね。
本当にいろんな人と出会えますもんね。
だから、技術を通してお客様の笑顔見れるのはもちろんだけどね。
経験値をお客様から貰える瞬間は私にとっては、やってて良かったって感じれることかも。
確かに!お客様の年齢層って幅広くて学生時代では関わることのできない方々とお話しできますもんね。
その中で、自分よりちょっと先に経験積まれてる方のお話はすごくタイムリーで参考になりますよね。
それで料金いただいてなんかいいの?って思っちゃうくらいに笑
そういえば、僕も実際プロポーズの時とかめちゃくちゃお客様からアドバイスもらってたな…。
「中途半端なことしたら一生根に持たれるぞ!」ってすごく釘刺されて大慌てで準備したの覚えてます。あれがなかったらもうちょい後悔してたかも。
教えてもらってる分ってわけじゃないけど、「自分がちゃんと提供できるもの持ってないと!」っていう気持ちになりますよね!
ただおしゃべりしに来てるわけじゃないからね。
何でお金をいただいてるのかは忘れちゃいけない。
間違いないですね。
あくまでお客様は「髪をキレイにしたい」ことが前提ですからね。
そもそもそこで信頼関係作らないことにはその関係性にはなれないですもんね。
でも、長く信頼関係を作れたお客様とのお互いギブし会える関係って美容師のいいところだなーって思います。
長い期間お客様と一緒になる仕事ってそうそうないですもんね。
毎日のように会うわけではないですが、長い期間をともに過ごすことができるのは美容師の魅力の特徴。
髪の毛だけの関係性ではなく、それ以上の関係でお付き合いができることも喜びを感じることができる瞬間なのかもしれません。
選択肢が増える喜び
僕はニュージーランドで美容師してるんですけど、美容師ってどこでも働ける仕事じゃないですか。
だからチャレンジしたいって思ったら、スキルさえあればできるのが喜びの一つですよね。
それは手に職ならではの喜びなんでしょうか?
そうですね、言語がままらなくてもお客様の笑顔を作れるんですよ。
僕の場合はスキル(言語)を掛け合わせることによって、日本に限らず多くの人に価値を提供できるっていうのは美容師ならではの喜びかなっていう感じがします。
場所に縛られない働き方ができるのは、美容師としてて本当に良かった点かな。
スキル!日本に限らずチャレンジするには言語が必須ですが身につければ本当にどこでもやれることを実践されてますよね。
ヘイスさんは海外で働いていて実際に喜びを実感できるポイントはありますか?
地元のお客様が「今までこうしたかったけどできなかった」っていうのを、僕が日本で培った技術やファッションの知識が現地のお客様に活かせるんです。
文化の違いが結果、今までにないくらいその人にとっての”初めての体験”を提供できることが多くて、そういった経験ができるのは海外やっているからこそ感じることができるポイントかな
【働く場所を選ばない職業】とはいわれてるど、日本国内に限った話でもないですね。
本当に美容師それぞれに働き方が存在しますね。
そうそう、美容師という職業で選択肢を広げられるのは良かったですね。
美容師はお客様がいればどこでも仕事ができる職業です。
一番は「やりたい!」という思い。
自分の技術で喜んでもらえるのは世界共通ですね。
学生が思うやりがいとは?
美容学生さんはどうですか?今の学生生活でやりがい感じることってあります?
私は理容科に通っててシェービングにすごく興味があるんですが…。
今日初めてカミソリに刃を入れてシェービングしたんですよ。
ウィッグと実際の人とは全然違うんですよね、暖かくて柔らかいから簡単に切れちゃいそう。
クロスをつける時から手が震えましたけど、でもちゃんと(理容師に)近づいているんだなっていう実感を感じれたんです。
今日のこの体験は一つ、やりがいを感じるところだったかもしれないです。
これからそういう経験たくさんしてくはずですよね、きっと。
色んなところで「やってて良かったな」って感じれるポイントってありそうな気がするな
今のその気持ち、すごい大事にしたほうがいいと思ます。
その気持ちがお客様を喜ばせることができるわけだから。
その振り幅を自分の中で認識をしておけることが、やりがいを感じ続けられることだと思うんです。
学生の時ってワクワクばかりだったのかな、もはや忘れてしまったけど…。
発見しかなかった気がする。
”できないことができるようになる”は成功体験ですが、学生時代は初めて目にするものばかり。
美容師をやってて良かった、にはまだ実感を感じることはできませんが、なりたい職業に近づいていることはとても大切な感情ですね。
失敗することの大事さ
最近思うことがあるんですけど「失敗」ってすごい大事だと思うんですよね。
若ければ若いほどその機会が多いんですけど、成長にすごい必要な要素。
失敗を成功に変えられた時に成長実感を感じれるんですよね。
それに関しては美容師は強いじゃないんですかね。
1対1の仕事だから、誰かのせいにできないじゃないですか。全部自分の責任。
極端ですが、お客様は自分にしか期待をしていないわけだから逃げ場ないですもんね。
それがすごい顕著な仕事ですよね。
失敗した時の実感がすごい。
僕はもう少しアシスタントの時に失敗しておけば良かったなって。
手を抜いての失敗じゃなくて、チャレンジをもっとすれば良かった。
最悪担当スタイリストさんが尻拭いしてくれるわけじゃないですか。
そう言った意味では失敗を怖がってたと思います。
逆に編集長、スタイリストでやっちゃったっていうことはありました?
そりゃ失敗しかしてないですけど…!笑
思い返すと、チャレンジの回数が少なかった自負があるので、お客様に対して提供できる引き出しの振り幅が少なかったのがやっちゃったことですかね。
いや、これはやっちゃったことってよりスタイリストとして最初にぶつかった壁だったかな、お客様を喜ばせる方法を知らなかった。
でもスタイリストになってからの方がなんやかんや失敗の味をしっかり味わえると思うんですよね。
アシスタントに失敗をしておいた方が良かったことってたくさんあるんだけど、アシスタントの時ってその失敗をオブラートに包めやすいんですよ。「結局僕スタイリストじゃないし」って思えちゃうじゃない。
失敗の重さって大事だよね。
スタイリストに立った時に感じれることって違いますよね。
もちろん失敗した時は結構ギリギリまで追い込まれることもあるんだけど、自分の身になるものも大きいから、成功を感じた時の成長が大きいんですね。
そう考えると、やはりスタイリストになってからがきっと美容師をやっていて”本当に”良かったと思えるポイントに繋がるんじゃないんでしょうか。
少し話は逸れましたが、良かったと常に感じることができるわけではないということを知っておいてほしいんです。
全ての美容師たちがこの経験をしています。
失敗がなければ成功はないということですが、知ってて欲しいのは失敗は悪ではないということ。
失敗はあなたの次の成功のための材料なんです。
次同じ失敗をしないためには?を考えることができる貴重な機会です。
キャリアを積んでから良かったと感じれること
今回の座談会の中ではまもさんが最年長だと思うのですが、現在のステージで”良かった”と感じれることは何かありますか?
実は今日スタイリスト19年目の記念日だったんです。
ブログを書きながら「若い時どうだったかなー」って考えてたところでした。
19年!今の美容学生さんの年齢と同じくらいのキャリアを積まれてる…!
色々あったんだろうなー。
そりゃもちろん笑
振り返りながら「やってて良かった」と感じるポイントは様々ありましたが、今のキャリアになってくるとそれを実感できる瞬間を見つけるのがだんだん難しくはなりますね。
とはいえ、”実感できない”のではなく、工夫が必要になってくるっていう感覚ですね。
正面から美容師という見方をするのではなく、少し違う角度で捉えたりする必要があるって感じですかね?
そうそう、まさに。
でもそうして新しい発見をすることが楽しみにもなります。
やりきったとかではなくて、突き詰めていくときにいろんな視点で美容師について観察することに面白さを感じるようになります。
観察した結果生まれた”こんな美容師の魅力があるんだ”っていう発見に新たな喜びを感じるのが今の僕ですかね。
キャリアを積んでも完成しないのが美容師の魅力。
逆に完成したと感じてしまったら美容師としての成長が終わってしますのもこの仕事。
長い美容師人生だからこそ見つけられることはまだまだたくさんあります。
そう考えるとキャリアを積むのって楽しくなりそうじゃないですか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
美容師をやっていて本当に良かったと感じることは人それぞれ違いますが、共通して言えることは目の前にお客様がいることで実感を感じることができる職業である、ということ。
アシスタント時のできないことができるようになる、に関しても砕いて考えればお客様に提供できるスキルが増えたという喜びの実感ということになります。
逆に、”つまらない”と感じるのは誰かに対して矢印が向いていない時に起きることなのかもしれません。
つまり、自分に矢印が向き続けていると「何のためにしていることなのか」がわからなくなり、作業的になってしまうということではないでしょうか。
美容師は目の前の人に価値を届ける仕事。
そこから生まれる様々な感情の中で「やってて良かった…!」と感じることができるはずです。
皆さんが美容師をやってて本当に良かったと感じることは何ですか?
どんなことで良かったと感じたいですか?
この機会に良かったら考えてみましょう。
サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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