美容ツイサロマガジン編集長の倉田晋吾です。
編集長をしながら若手美容師や美容学生に向けて
ラジオ配信や美容ツイサロマガジン内で記事を書いています。
従来の美容師のキャリアアップ
美容師のキャリアアップといえば今までは
・アシスタント
⇨技術を習得する期間、まだお客様から技術を提供してお金をいただくことが出来ない美容師
・スタイリスト
⇨美容師のスタートライン、集客、技術提供がメイン。サロンによっては別で仕事(材料発注、SNS管理、求人、教育…etc)を任されることもある
・店長
⇨店舗の管理、サロンでの大半ことを任され、責任をもつ人
このように、いわゆる「ピラミッド型」のキャリアアップがメインではないでしょうか?
美容室に限らず、店舗型ビジネスをされているところは大半がこうではないかと思います。
そこから先のキャリアップは?となるとピラミッド型の場合はこれ以上先が用意されていないため
「独立する」と言う選択肢が生まれてくるは至極当然のことです。(特に小〜中規模サロン)
この循環が、結果25万件というコンビニよりも多くの店舗が乱立することになったのではないでしょうか。
確かに、数年前までは「自分の店を持つこと」は僕の野心の一つでした。
でもそれは、美容師の先輩方たちがシンプルに「そうしているから」というだけだったのかもしれません。
言い方を変えれば、アシスタント⇨店長以外の登り方がなかった状態だったわけです。
決して「独立をする」ことが悪い、ということを伝えたいわけではないのですが、それ以外の方法はないのでしょうか?
このキャリアップの考え方に対して近年取り入れている自社でのキャリアアップの仕組みをぜひ皆さんにも共有したいと思い、今回の記事を書くことにしました。
ちなみに、僕はただの自社の「いちファン」です。
よろしければ最後までお付き合いください。
キャリアアップにおけるピラミッド型って?
そもそもキャリアアップというのは、特定の分野について今よりもさらに専門的な知識や技術を身につけて能力を向上させてキャリア(経歴)を高めることをいいます。
仕事の幅が広がることはもちろんですが、役職などのポジションが上がることを指すときに使用する言葉です。
前述したように、美容師においてのキャリアアップといえば
「アシスタント⇨スタイリスト⇨店長」になるのが一般的ではないかと思います。
つまりはこのようになるわけですね。
ほとんどの美容師はこの過程を踏むのが大半だと思いますが、皆さんはいかがでしょう?
このピラミッドを主軸として「集客」「SNS」「材料」「技術」などに枝分かれするような仕組みを取っていらっしゃるサロンが多いですよね。
なので、上に上り詰めるほど仕事量と責任量は増えていきます。
最終的に店長はほぼ全ての「サロンのこと」を管理、決定をしなければなりません。
このキャリアアップの仕方は今の時代で幸せになれる方法でしょうか?
下から上に登っていくだけのキャリアアップの考え方は今の時代にはだんだんそぐわなくなってきていると思っています。
というのも、人にはそれぞれストロングポイントがあるはずで、それが必ずしも「店長」というピラミッドのトップになることではないのです。
店長の素質がない人の会社としての活躍の場はないのでしょうか、そんなことはないですよね。
それぞれの強みを生かす仕組みがこちらです。
自社が行っているキャリアアップ「FLAT」
社員一人一人に焦点を当ててみれば、「サロン全体の管理が得意な人」「集客を考えるのが得意な人」「若手にメッセージを伝えるのが得意な人」様々いるはずです。
それぞれを活かすための考え方がこの「FLAT」というものです。
簡単に言ってしまえば、役割のスペシャリストを作るということです。
先のピラミッド型と比べて違うところといえばキャリアパスが縦一直線ではないということです。
学校のクラスの〇〇係みたいな感じを会社に取り込んだ感じですね。
イメージにするとこんな感じです。
学校の例えを続けるなら、学級委員長は役割として存在しますが、その子が一番偉いわけではありませんよね。
同様にFLAT上での店長は「全体をまとめる役割の人」を担っているだけでスタッフの一員であることは変わりありません。
もちろん、まとめ役なので誰でもなれるポストではありませんけどね。
図のように、上り詰めていく仕組みのピラミッド型とは違い、それぞれの係を担当しスペシャリストになるためのキャリアパスの仕組みとなっています。
(経営がコアにあるのは代表の仕事だからです)
この「FLAT」のメリットは、上に上り詰めるほど任される仕事量と責任が増えるというわけではないということです。
店長はあくまで全体をまとめる役割の人という立ち位置なので、全体の把握をするのはもちろん必要ですし責任を持つべきポストですが、必ずしも全ての決定権を託されているわけではないのです。
各係ごとに決定権があるため(もちろん許可を必要とするものもありますが)
行動までのスピード感が早く、社内の決定事項を一任される為、スタッフに責任感も生まれます。
どうしても従来のピラミッド型では、キャリアアップするごとに任される仕事の量や責任が増えてしまい、結果としてやらなければいけないことが大量に増えてしまうという難点がありました。
それぞれに特化した役割の人材を置くことで、いい意味で「人に任せられる」サロンの体質を作ることができます。
できないことを無理やりやらされるより、自分が得意だと思うものや強みとしていきたい分野を全力で進むことができる。
そして、自分がどうしてもアンテナが張りきれないもの(絶対あるはず)は出来る人に任せてしまう。
こんな仕組みがFLATなんです。
すみません、僕が作ったみたいな言い方してますが、実はこれ僕が考えたわけではないのです(笑)
ただ、めちゃくちゃ共感できて僕自身がこれによって成長が出来たと実感している会社の仕組みなんです。
自分で作ったレベルで説明はできます。
「凹凸」を埋めるように、お互いの長所を補い合えるような、そして自身の得意分野に特化できるような仕組みって本当に素敵じゃないですか?
ピラミッド型の「舗装されきった道」を歩かされるより、自分で開拓できる方が間違いなく面白いですし、それで実績を残せた際にはあなたは会社にとって「なくてはならない存在」になるわけです。
僕の場合のキャリアップ
前回の記事同様僕を例に挙げさせて頂きますね(前回の記事は下記より)
自社にこの仕組みがない頃は、僕も同様に店長になることを目標に日々を過ごしていました。
というか、これ以外の目標がなかったわけです。(もちろん今でも目指してますよ)
ピラミッド型でしたからね。
そんな中2年くらい前ですかね、とある日代表から
「求人チーム作ろうと思うんだけどやってみない?」
という誘いをもらえたんですね。
もちろん僕は、元々求人のことについて日々勉強をしていたわけではないですし、結果をだしていたわけではありません。
後々代表に聞いてみましたが「なんとなくお前が良さそうだったからw」
ということでしたが、ここからセミナーに参加したりコンサルを受けたりして少しずつ知識をつけながら試行錯誤を繰り返し、実績が残せるようになってきました。
会社に対して貢献できた実績が残せるようになると、求人チームは会社にとって必要なポジションになりますし、僕を含めたチームのスタッフは、会社になくてはならない存在になることができるわけです。
僕にとっても、実績を得ることができるまでの「過程」と、会社に必要とされる「求人」のポジションというのは、この会社にいるべき理由と、会社の運営に携われることでの責任感を得ることが出来たのだと強く感じています。
他のスタッフも、僕とは違うキャリアアップの方法ではありますが、僕のようにそれぞれに特化したポジションを持っています
そのためには代表による人材の采配が重要になってきます(そのスタッフにとってそのポジションが合わない可能性もある、こればかりはやってみないとわからないところですが)
このように、社内での「特化したポジション」をそれぞれのスタッフに配置することによってお互いがお互いを補い合う仕組みを作ることができるようになるわけです。
いい意味で任せ合うことができ、自分ができることを全力で取り組め、自身のキャリアアップに繋がる。かつそれが会社の重要な財産になるのです。
会社の規模感によるところもあるかもしれませんが、小〜中規模サロンなら実現可能な仕組みだと僕は考えています。
以上が僕が惚れ込んだ当社の仕組みの一つです。(紹介したいものまだまだあるので、今後も少しずつ紹介していきますね)
まとめ
ピラミッド型のキャリアアップのシステムは古くなっているでしょう。
今まで成立していたのは、外部からの情報がなく、店舗内の先輩のみの背中を見て育ったため、皆一つのキャリアパスでも問題なかったのだと思います。
今はそうではありません。
SNSの普及により、様々な働き方はもちろんそうですが、目指す美容師像が数多存在するということが露見しました。
すると、美容師それぞれの進む方向は変わるわけですから、一本道では十分なキャリアアップが用意されているとは言いにくくなってしまうわけです。
それを改善できる考えが、このFLATだと思っています。
詳しく聞きたい方はぜひ僕までDMください。お待ちしてます!
美容師一人一人が幸せになれる方法を、皆さんで一緒に模索していきたいですね。
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サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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