ダメージの原因「毛髪の空洞化」

アシスタント向け

はじめまして。ヨシダと申します。

美容師として長年サロンワークをした後、ヘアケアメーカーに転職して薬剤の技術検証などをしてきたのですが、現在は「ダメージケア」に特化したプロフェッショナル製品を通じて、美容師さんや美容ディーラーさんのサポートをする仕事をしています。

今回この #美容ツイサロマガジンでは、技術や教育のほか、集客や働き方など様々なカテゴリーに分かれて記事が構成されていますが、自分が最も好きな「ダメージケア」に関することを書いてみようと思い、参加させて頂くことにしました。興味が分かれる分野ではありますが…。

多くの美容師さんに難しそうだからと敬遠されがちな毛髪や薬剤の知識について、できるだけ簡単にわかりやすく、でも大事なことはしっかりと書いていこうと思います。

デザインとダメージケアのバランス

ちょっとその前に、ダメージケア理論がなぜ大切かという話しなんですが、サロンワークでの仕上がりを納得いくものにする為に必要な要素って沢山ありますよね。

デザインの完成度を高める意味で言うと、例えばカラーなどに特化し、常に技術レベルの向上を意識している美容師さんのSNSでの発信を見る機会が増えましたが、これはもう本当に尊敬しかありません。

ダメージケアは、そんなデザインの持続性を高めたり、より質感の良いものに引き立ててくれるような存在ではないでしょうか。

例えば、デザインは優れているけど仕上がりの髪がひどいダメージだったらお客様はリピートするでしょうか。

また、どんなにダメージケアにこだわっていても、デザインが微妙だったらお客様は満足するでしょうか。

それぞれが完璧にできれば言うことないですが、極端に偏ることなく、適度なバランスで対応できる技術力は必要だと思うんです。

これだけは気をつけなければ、と考える基本的なダメージケア理論を中心に書いていきますので、スタイリストの方なら当然知っている知識がほとんどだと思いますが、アシスタント教育などに役立てられるかも知れないので、ぜひ確認のつもりでご覧になって頂けるだけでも十分です。

あえて難しく考えず柔軟に

さて、専門的な知識はもちろん重要なんですが、サロンワークの現場に落とし込んだ時に実際どうなの?と感じることもありますよね。

良い意味で柔軟に考えて、まずはサロンワークで簡単に実践できるように伝えていきたいのです。カウンセリングでお客様の髪を見ながら施術工程を頭の中でイメージしていく意識が変わるはずです。

「ケミカル」という分野は、好きな人はとことん追求してこだわるので、時に「マニアック」と呼ばれることもありますよね。

それゆえに、このような記事を見て、何か疑問に感じることや気になる箇所があると、難しい言葉を並べて質問攻めをしたり揚げ足をとってきたりと、まぁ大変なこともあるんです笑

ただ、それを気にしていたら何も発信などできません。あくまで本当に基礎中の基礎について、難しく考えてしまいがちなことを頭の中でシンプルに整理していく場所にしたいのです。

メーカーによって考え方や表現の仕方が違ったりするのはよくあることです。どうかこの点はご理解ください。自分にあった考え方、施術のヒントにしていただければ幸いです。

ダメージした髪を知る

まずは最初に髪のダメージについて基本的なことですが、毎日紫外線やドライヤーの熱などの刺激を受けることによって、誰もが少なからずダメージを受けていますよね。

さらにカラーやパーマをすると、デザインを作るために必要なダメージはどうしても受けてしまいます。

また、何も考えずにただトリートメントを塗布するだけでは、ダメージした髪にトリートメントの効果を最大限、発揮させる事はできません。

髪のダメージの原因と改善方法を構造レベルから再確認していきましょう。


ダメージの原因

髪がダメージを受けると、次のような現象が起こりやすくなります。

  • 「ツヤがなくなる」
  • 「髪が白っぽく褪せた色に見える」
  • 「髪が乾燥する」
  • 「カラーがくすむ」
  • 「ウェーブがだれる」

これらの問題は、共通して「毛髪の空洞化」が原因です。

空洞化とは、毛髪中に無数の穴(=ボイド)ができることです。ダメージ毛は健康毛と比べ、毛髪内部に「大きな空洞」が多く存在しています。

この空洞は、カラーやパーマなどで毛髪表面を保護するキューティクルが損傷して開いたままになった部分から、CMCと呼ばれる脂質やタンパク質が流出することによってできます。

従って、毛髪の空洞化を防ぐために、

① ダメージを予防し、

② ボイドを埋めてケアする

以上のことが必要になります。

日常生活だけでも空洞化は進行するものです。ゆえに、ボイドを “なにで” 埋めるか がダメージケアのカギとなります。

例えば、アイロン使用時に「髪が白っぽく褪せた色に見える」という経験をしたことはありませんか?

これは、高温のアイロン熱により、毛髪の中のボイドに残っている水分が水蒸気爆発して起こる現象です。

空洞化した場所にたまっている水が瞬間的に沸騰して「ジュ!」となってしまうアレですね。

特にダメージによって空洞化した髪はボイドに水分がたまりやすいため、影響が大きくなります。この時、キューティクルが剥がれてしまうこともあるのです。

この現象を回避するためには、アイロン使用前までに、「ボイドを埋める」ための処理を行う必要があります。

具体的には、空洞化の際に失われたCMCやタンパク質を外から補うということです。

その方法については、次回以降のブログで書いていきますので、今回はひとまずここまでにします。

最後まで読んで頂きありがとうございました!



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コメント

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