前回の記事の続きです。
初の2部作になりました。
「黙って取材に行ってろ」その声わかります。
一つにまとめようとしたんですけど、どれも全部大事なことでどこも割愛することができなかったんですよ。
前回は、育児に関する包括的な内容やパパがどのようように育児に対して向き合っていけばいいかをお伝えしていきましたが、今回はもう少し美容師目線で私の実体験を踏まえてお伝えしていきます。
より焦点を美容師に絞った記事となっているので「まずは予備知識がある程度欲しい!」という方は前作を
「ざっくりとした制度的なところを知りたい!」という方はこちらをご覧ください。
ちなみに今回の記事は、結構個人的な主観が含まれていて家庭環境によって捉え方は様々になるかと思うので、参考までにご覧いただけたら嬉しいです。
美容師のパパからは育児に関してこんな声
今回は美容師パパからも声をもらってきました。
ピックアップして載せていきますので、これからパパになる美容師さんたち、参考にしてくださいな!
ちなみに今回アンケートを収集しましたがパパ美容師での育休取得者はなんと「0」美容業界、大丈夫か。
アンケートから見えること
今回アンケートに育休取得者はいませんでした。
そのため取得しなくてよかったことが記載されています。
取得した(しなかった)ことでできたであろうことは様々考えられそうですよね。
全体的にはママのケアでよかったことは心のケアがメインになりました。
産後のママはボロボロの状態なので体のケアはもちろんしてあげたいですが、パパの役割的なところはこういうところになりますね。
サンドバック笑
ホント一言「できることは全部やれ」
美容師さんは接客業という職業上、空気を読む力にたけてる人が多いはず。
ママに接客するわけじゃないけど、そのスキルを家庭でもいかんなく発揮してあげるといいかもしれませんね。
育児に関しての価値観
- 子供のためと思えばやれることが増えた。育児を通して自分を育ててもらってます
- 子供は一緒に成長していますねー何かを与える、とか教えるってあんまりないと思っていて、とにかく「柔」ですね。本人の欲望もある程度尊重して、彼が将来困らない範囲で叱る。奥さんと二人三脚は絶対大事なのですがお互いに期待しすぎない、そして指摘は受け入れる。
- 父親とか母親関係なくこれからは積極的に参加して見れる時が見て協力していくのが大事なんだと思います
- なにが正解かわからないのですが、今は恵まれすぎてると感じます。それが子供の知恵をつけたり考える力を身につける機会を奪っていると思います。
- 自分はスマホで動画見せてあやすことは一度もしてきませんでした。長子は小学校高学年になりますがYouTubeやゲームばかりするという状況になっていません。
- 答えを与えない。考える機会を与えること。よく子供に言う言葉は「どうしたらいいと思う?」「自分で考えてみなさい。」です。
- 運動会や入学式なども参加してきませんでしたが、自分はそれで良かったと感じています。子供たちは働く父の姿を見てなにかしら感じてくれているようです。
- 土日には少し店の手伝いもしますが指示される前に床を掃いたりシャンプー台を片付けたりと、自ら動けるようになってきました。
- 育休は制度として決まった形式であるより、その家庭状況などに応じて柔軟に対応してあげれるのが良いのではないかと思います。 それぞれが望む美容師像もありますし、奥様の仕事や生活状況なども含め、それぞれに状況は違うと思いますので。
このような声をいただきました、アンケートにお答えくださった皆様ありがとうございました。
随時更新していきますので「こんなこともあるよね!」という先輩パパ美容師さん、ぜひアンケートお答えください。
多くのパパ美容師の声が集まって、これからの方たちの参考になったら嬉しい!
美容師が育休取るとしたらどうしたらいいの?
ここからは私の経験を踏まえた上で、具体的な美容師目線のパパの育休取得についてお伝えしていきます。
私の取得パターンを紹介した上で直面した問題点や解消法をお伝えしていきます。
※あくまで個人的な意見と我が家の家庭環境を鑑みた上での実体験ですので必ずしも参考になるとは限らないですが選択肢の1つとしてご覧ください
我が家の場合
あらかじめ我が家の家族構成とそれぞれの育休の取得状況をシェアしておきます。
2019年7月長男出産
ママ:翌年4月まで育休取得、長男保育園に入園のタイミングで復職
ぼく:退院後1週間の育休⇨約2ヶ月間週3日休み
2022年2月次男出産
ママ:翌年4月まで育休取得予定
ぼく:産後1週間の育休⇨3月末まで時短勤務(休みは定休日+日曜日)
ママは里帰りの選択をしなかった ママ、ぼく共に正社員
今回の育休は2度目の取得となります。
1、最初の育休
働き方
ママの退院後1週間の育休取得 復帰後、完全週休3日の変則シフトと営業後即帰宅を1ヶ月
結果からいうと『育休を取得した』という実績だけが残る形となり、家族に対するケアは何一つできていませんでした。
育休取得の目的は『体力の回復に時間を要するママのケアと育児のいろはを覚える期間』でした。
ですが、私はパパになるという自覚を持つことが出来ないまま育休に突入しました。
理由は極端にいってしまえば特になにもない状態だからです。
ママとは違い、身体や体調の変化はないし、働き方だって変える必要もありません。
悪い意味でパパはいつも通りなんです。
そんな状態でスタートしてしまったわけですから、当然のようにママからしたら足手まといにしかななりません。
一方ママは出産による身体的なダメージや、産後のホルモンバランスの変化、初めての子育てに対する不安を抱えて退院してきます。
様々な要因が重なって神経質になっている状態でそんなパパがいたら余計ストレス与えますよね。
実際、帰ってくる足音で怒られるレベルでした。
父親になることの自覚がない+育児レベルがゴミカスなのに勉強もしないで仕事ばっかの状態だったので、育休は取得したもののむしろマイナスだったのでは。
今となってわかることがたくさんありますが、自覚の部分は多少致し方ない点はあるとして(出産という役割を担わない以上起こるものとして)少しでも併走をする姿勢を見せるというアクションは起こしておいた方が良かったのではないかと思います。
「よくわかんないけど、なんとかなるか」の精神たっぷりの私だったので
- 予備知識を入れてない
- 産後もママを悪い意味で変わらぬ存在としてみていた
- 「とりあえず可愛がればいい」と思う第三者目線的な視点
このあたりが育休期間中の反省点ですね。
まだあります、育休期間と育児の時間として早い帰宅時間を確保してもらった期間が終了した後。
「よっしゃ仕事やるぞー!」とスパッと気持ちを切り替えてしまったのもよくなかった。
古風な発想で『男は仕事、女は家庭』が心の深いところにもしかしたらあったのかもしれないですね。
期間が終わったからといって育児が完了したわけではありません、会社と相談した上で確保した育児にウエイトがかかる期間は終わったとしても継続した育児の方法を一緒に探していくことは必要だったのではないかと思います。
そんなところばかり切り替えがいいものだから、これはこれでママのモヤモヤの元を作ってしまっていたのではないかと思います。
こんな感じの第一子の育児。
もちろん今でも新しい課題が常に更新されている状態だけど、この期間を一部切り取って振り返るのであれば上記のようですね。
書いてて恥ずかしくなってきた…。
2、2回目の育休
働き方
産後1週間の育休取得
その後時短勤務(9:00~18:00) 保育園のない日曜日を休日に設定
第2児での大きな課題は『長男をいかにケアするか』でした。
誕生時で長男は2歳、走るししゃべるしイヤイヤだし。
もちろん新生児をみないと!の意識は働いていたけれど、彼の赤ちゃん返りを考えると『変わらずに接すること』
子供が2人になると勝手がだいぶ変わります。
結果、ママは次男のケア、私は長男のケアとその他家事全般が育休期間中の役割分担となりました。
とはいえまだ課題はあります。
長男が保育園の送り迎え問題です。
ママはまだ外に出れるほど体力は戻っていないし、私も通常通りの勤務体制では送ることはできてもお迎えの時間には到底間に合わない時間になってしまいます。
そこで、私が時短勤務という働き方を選択することでこの問題を解消することにしました。
時間都合上多少のお客様にはご負担をおかけすることになりましたし、スタッフにも大変な思いをさせてしまう場面がありましたが、継続して仕事と育児をしていくにはベストな働き方であったのではないかと思います。
コロナ禍で様々なことにオンライン化が進み、通常のサロンワークは流石に難しいですが、営業後のミーティングやちょっとした面談は、ほぼ全てオンライン上で解消することができる時代になったのはとてもありがたいことでした。
3、お客様ありきで仕事をする美容師の大前提として
長期間の育休を取得する際、基本的には会社の協力(引継ぎ等でサロンとしてお客様を繋ぎ止めてもらう)ことは大前提になってきます。
放っておいても髪は伸びてしまうため、その間に他の美容室に行ってしまう…なんてことがあるとせっかく作った関係性が切れてしまっては元も子もありません。
私たちの仕事はお客様がいることで初めて成立がする仕事です(サロンの形態によってはそうでない場合も存在しますが)
そのため、どうしても長期の離脱にはある程度の根回しができている状態でないと職場復帰をしたとしても仕事がない…なんてことになりかねません。
ママ美容師さんが在籍しているようなサロンであれば引き継ぎに関するある程度のノウハウは存在するでしょうが、ない場合は会社と相談の上決めていかなければなりません。
「どうしても長期の育休はちょっと…」そんな時に活用できる方法が休業ではなく時短勤務という働き方の選択肢です。
個人の営業時間のコントロールをすることで多少のお客様の取りこぼしは出てしまうかもしれませんが、ある程度通常通りお客様のご来店に対応することが可能になります。
また、パパの場合であれば間を置いて休業を取得できる「パパ休暇」というのも存在します。
※通常の育休は1回取得して職場復帰をしたら再度取得することはできませんが、パパ休暇においてはこれが可能で、2回に分けて取得することができるのです。(条件付きなので調べてみてください!)
「長期離脱をしなければいけないから育休は選択できないな…」と心配しているパパはぜひこのような選択肢があることをぜひ覚えておいてくれると嬉しいです。
また、前回記事の取材でも出てきた『半育休』という制度は美容師の働き方には非常にマッチしていると感じました。
完全に休むわけではなく、育休を取りながらサロンワークができるためお客様の離脱を防ぐことができるのと、収入を落とすことなく家庭のサポートを続けることができます。
あらかじめ申請が必要なので制度の事前チェックはお忘れなく!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事でパパ美容師が育休を取得することのハードルが少しでも下がればいいなと思い、2部に分けて記事にしてきました。
今はまだかなりニッチな部分かと思いますが、ライフイベントの中で以上のような課題に直面する可能性も大いにある部分です。
そんな時に思い出してくれたら嬉しいです。
サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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