美容ツイサロマガジン編集長の倉田晋吾です。
編集長をしながら若手美容師や美容学生に向けて
ラジオ配信や美容ツイサロマガジン内で記事を書いています。
始まりはこんな日
………
月に何度か訪れる1人時間の休み、いつものように銭湯のサウナで汗を流す。
このサウナの時間は休日のとても重要なルーティンの一つであり、僕にとって思考を自由に泳がせることができるかけがえのない時間なのだ。
いつものように脳の中を遊泳していると、ふとこんな言葉が水面から顔を出してきた。
「幸せだなあ…」
確かにこの言葉は口にするし、思いもする。いたってありきたりな言葉だ。
ただ、今回の言葉はそれにしては少し違和感を感じるような気がして、流すにはもったいないような気がした。
せっかくだ、少しこのまま潜って一つこの原因を探してみようか、ふふ、さながら海底探索ってところかな。
……
いかがでしたでしょう、くらた編集長の小劇場の時間でした。
要するにサウナの中で考えたこと記事にしちゃおう!って話です。
今日のポイントは「自分らしく仕事をするには??」です。
色んな書籍や言葉がありますが、今回はくらたの体験してきた目線でお送りします。
よろしいければ最後までお付き合いくださいね。
自分らしく生きていないと感じているあなたへ
「自分らしく、好きに生きたい」
「でも、仕事をする上で自分らしさなんてとても出せない」
こんなこと思いながらも仕事と自分にギャップを感じながら日々の仕事をこなしていませんか?
自分らしく、自分が好きと思える仕事をしたい。
僕もそんなことを思いながら仕事をしている美容師の1人でした。そう、過去の話です。
今では、サロンワークは楽しくて仕方がないですし、日々にとても充足感を感じています。
しかし、ここまでの変化に、およそ10年という月日がかかりました。
僕の場合は皆さんより進みがゆっくりで、決して吸収力が良い方ではないのでこれほどの時間を要してしまいましたが、皆さんであればもっと早い段階でステージを進むことができると思ってます。
こうなるまでの道のりは果たしてどうだったのか?理解してるかどうかで大きく違うはずです。
今回は大きく分けて3ステージ
・入社期
・スタイリスト昇格期
・そっから3年後くらい
それぞれのステージでの僕の当時の気持ちを交えながらお伝えしていこと思います!
…が、その前にまずはこちらから。
その前に、自分らしく仕事をするために知っておくこと
皆さん「マズローの欲求5段階」を知っている方は多いと思います。
人間が持っている欲求というものは大きく分けて、5つに階層化されているという理論です。
これは本来、人の動機付けに関する理論として発表されていましたが、人の幸せと密接に関係があるとも記されています。
詳しくは「マズロー」で検索してもらえればいいかと思います。
すごく簡単にいうと、人は環境や生きている時代によって「欲求」が違い、それを満たされた
時に幸せを感じる生き物で、そしてその欲求は満たされると新たな欲求が現れる。
というものです。
5段階あるうちの最後の欲求が「自己実現の欲求」というもので、
つまりは、「より一層自分らしく生きたい」という欲求です。これが実は最後の段階にあたるのです。
時代の変化とともに人々は多くのものが満たされるようになりました。
少し前までは、多少嫌なことを我慢してでも、給料をもらって、好きなものや好きなことにお金を使う。
そのことが、幸せであると感じる価値観を持つ人が大半だったと思います。
はっきりとやりがい<お金でした。
でも今はどうでしょう、「自分らしく生きる」「能力を発揮する」「創造的活動をする」ことをしないと人は幸せになれないんです。
先に述べたように、満たされてしまっている社会だからです。
なので、これから僕がお話しすることは、少し時代錯誤的な部分もあるかとは思いますが間違いなく僕が辿ってきた軌跡でもあります。
美容業界は正直まだ満たされていない業界だと僕は思っています。なので少しでも皆さんの参考になってくれたら幸いです。
前置きが長くなりましたが、それでは本題に進みたいと思います。
入社当初の自分らしさとは
入社したて、初めてのサロンに不安は感じつつもやっと念願の美容師になれたことに気分は最高潮ですよね。
しかし、いざお客様と対峙した時に
「あれ、対応の仕方が分からない」
「自分らしく接してみたらお客様の反応が悪かった」なんてことはなかったでしょうか?
ちなみに僕はめちゃくちゃありました。
上の図のように、入社したての状態というのは人間力自体が少なく、そのうちの
大半を占めているのが「あなた自身」の物差しなのです。
当時の僕を客観的に思い返してみると、美容師としての割合は20%にも満たないくらいだったのではないでしょうか?
ここでいう美容師といのは、技術はもちろんですが、接客対応など総合的な意味を含んでいます。
入社当初の僕にとって美容師は自由な職業のイメージがありましたがそんなことはなく、つまづくことや、上から押さえ込まれる日々に苛立ちを感じていました。
それもそのはず、多くのお客様に喜んでいただくにはこの美容師を鍛えなければいけませんが、入社段階ではそもそも美容師の割合はどうしても低いのです。これは仕方ないことです。こないだまで美容学生だったわけですから。
技術としてのスキルはほとんど持っているはずもないですし、年上の方への接客の仕方なんてのもそれまで同じ年としか関わることなく生きてきたわけですから、そもそもどう接したらいいかわかるはずもないですよね。
RPGの最初の街を出た瞬間からロトの剣持っていないのと、メラゾーマ打てないのと一緒です。レベルが低いし、装備も整ってませんからね。
つまりこの状態は、人間力の経験値(メーターの最大値)とそれ占める美容師の割合が低いということです。ギャップやもどかしさを感じ、まだ「自分らしく」とは程遠い状態です。
スタイリスト昇格期の自分らしさ
美容師のスタートライン。やっと自分自身を表現できるステージに立つことができました。
人間性としても入社当初に比べたら間違いなく成長をしたでしょう。
ですが、僕の肌感ではまだ「自分らしさ」というのは全面に出しきれないステージのような気がしています。
同じように図にするとこんな感じです。
初期に比べると人間力は間違いなくレベルアップしています。
美容師としてのスキルも習得しているし、自分自身も様々な経験からパワーアップをしています。けれどもまだ美容師と自分自身の間には境界線があり、美容師の自分と人としての自分が棲み分けられているようなイメージです。
つまり、やりたい事とやらなければならない事に二分されている状態であり、まだ本当の意味で「自分らしさ」という点では発揮できていないような感じですね。
そっから3年後くらいの自分らしさ
これが今の僕の状態です。
スタイリスト4年目、もちろんまだまだ足りないことは多いですが
スタイリストなりたての当時と比べると、自分自身=美容師の境界線が曖昧になっているのを感じます。
つまり、自分が体験したことや感じたことが美容師としてお客様に還元できるようになり、逆に美容師としてお客様から頂いた体験や感じたことが自分自身の糧になる。
こんな感覚を最近は持っています。
まだ完全に溶け合っているわけではないので、あくまでくっきりとした境界線がなくなりグラデーション状になった程度ですけどね。
目指すところは一色に染まること。これが本当の「自分らしく」仕事ができる境地になるのではないでしょうか?
発展途上ではありますが、生きることがコンテンツになるのきっかけになっているのだと思います。
まとめ
長々と失礼しました。
銭湯での思いつきのような思考をここまで広げられるとは思いませんでした。
言いたいことは「銭湯さいこ…」間違えました。
言いたいことは、「自分らしく」仕事をするには、初期段階では美容師の自分と自分自身は全く別物であり、時を重ねて成長を繰り返すことで美容師=自分自身となり、そこで始めて「自分らしく」仕事ができるようになるのだと思います。
「好きなことで、生きていく」なんてYoutubeのキャッチコピーにもありましたが、僕の結論は
好きなことを仕事にする、ではなく仕事を続けていったら好きになってたが僕の通ってきた道を振り返った結果ということです。
今の時代はこんなことないかもしれません。ですが、もしいずれかのステージで思い悩む人がいたら是非参考にしてみてください。
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サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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