着付けに対する価値観
少し脱線してしまいますが、鳥山さんから上がった着付けについてもう少し深掘りさせてください。
「着付けをやりたい!」って思ったきっかけみたいなものはあったんですか?
国際文化はすごい着付けが強く、入学した時に振袖の課外授業のデモンストレーションを見て受講したいと思ってました。
元々中高生の時も髪のセットをすることが好きだったので成人式や卒業式だったりのヘア、メイク、着付けなどトータルでコーディネートして送り出せるお手伝いがしたいなと思って、それができる着付けを選びましたね。
じゃあみんなも着付けの授業をやってるのか
必修科目です
畳の部屋がある…!
せっかく必修科目なので皆さんに着付けに対する価値観をどう持っているのか質問させてもらいました。
ちょっと失礼かもしれませんが、着付けの文化って僕の中では昔に比べ、衰退気味のイメージがあるんです。
例えばお正月で着る方とか減ったじゃないですか?
必修科目として着付けの授業がある中で、皆さんの着付けに対してのイメージでどう感じていますか。
着付けは結婚式でも需要がある技術なので絶対に必要だと思うんですけれど…。
男子学生は着付けが苦手っていうの聞いてたんですが、本当にできなくて先生の目の前でほぼ1on1で教えてもらいながらやってるみたいな感じでした 。
僕は苦手だけど、技術としては必要だと思いますよ
成人式とかでは一日中着たりするものじゃないですか。
プロが着付けないと着崩れをしたりとかそもそも綺麗に着ることが出来ない、専門性が高いのでなきゃいけない技術だなと思います。
着付けに興味はあります。
実家に着物が何着かあって、将来結婚式とか何かのイベントで着る機会に自分で…は難しいですが、親族や近しい人に自分の技術で着付けをしてあげれたらいいなという思いはあります。
美容専門学校だからこそ学べる技術。
将来どっかで役に立つのかもと思い持っておきたい技術の一つかなと思います
僕は通信で卒業しているので、着付けの授業ってやったことなかったですよ…。
もちろん、以前働いてたサロンでは成人式の着付けの機会はあったんですが僕は参加したことがなくて…。
僕の美容人生の中に着付けという感覚が全くなかったんですよね、だからちょっと知りたいなと思っての質問でした!
世代間の質問というよりは、違う過程で美容師になった私からの個人的な質問でしたね。
着付けの技術は日本のオリジナルの文化です。
美容学校での教わることが全て美容人生に役立つものとは限りませんが、文化の継承もになっているんだなと実感しました。
大事にしたいですね。
パーマについて聞いてみた
もう一つ技術について聞きたいんですけれども…
アンケート記述の中でもそうですが、若者たちはカットカラーを勉強したい人が比較的多いのかなー?
っていうのを感じたんですけれども…パーマって皆さんどういうイメージをお持ちですか?
*学生の皆さんには事前にアンケート調査をさせていもらいました。
メンズに多いイメージがありますね
お、その辺りメンズ視点はどうです?
僕はあんまりやったことないですが…。ブリーチで傷めてるので笑
友達とかはやってる人は多いですよ!最近だとツイスパ(ツイストスパイラル)とか女性とかでもやってる方が多くて注目されてると思うんですよ、カラーと同じぐらい需要あるんじゃないかなと思ってます!
パーマは高校生の時にやってました!
校則が厳しくてカラーできなくて…でもなんとか髪の毛で遊びたいなって思った時に校則ギリギリのラインでパーマをしてましたね笑
今だと例えば「ウルフ×パーマ」みたいに一つのデザインとしてパーマが取り入れられてるのをよく目にします。
なので若い人たちにはハードなパーマをかける人達が増えているイメージがあります。
あとはモードなスタイルに限らず、”朝支度が楽になる””綺麗にまとまる”など、お客様にとって「簡単にスタイリングできる」手助けとしてパーマは需要はあるんだろうなってイメージがあります。
私は最近SNSを見てるとショートスタイルが流行ってるイメージがあります。
特にその中でも自然な毛流れを作る、前髪や根本を立ち上げるためのパーマが増えてる印象はあります。
年配の方などのトップにボリュームを出したい方達にパーマ需要が高まっていたり。
後はナチュラルなスタイリングをしたいっていう方もパーマをかけたりお客様の関心は高まっていると思います!
美容師をしているとパーマってスタイリングが楽になるとかコテとかで再現できないデザインを作るという点では絶対必要だと感じるんです。
若い子達は「カラーをやりたい!」って聞く機会が多いので、若い子たちの主流は今そっちにあるのかなーってのを感じてましたがやりたい気持ちはあるんだ。
頻繁に聞かない理由は何だろう?
多分「ワインディング」の印象が強いんですよ
ワインディングとは…
美容師国家試験科目の1つ。
国家試験は「筆記試験」と「実技試験」の2つに分かれており、その中で「実技試験」はさらに「カット」と「セット」に分かれています。その「セット」も「ワインディング」と「オールウェーブ」の2種類あり、受験する回によってどちらかが選ばれます。
あ!それもしかしたらあるかも…?
パーマは国家試験課題のイメージが強いから、カラーへの憧れがより強まるのかもしれないです。
特にカラーは選択授業や課外授業などで受講することが多いからより魅力を感じやすいのかもしれないですね
そこと比べると、ワインディングはあの形(※)しかやったことないし、しんどいしでそんなに今はわくわくはできないのかなって感じます…笑
※ちなみにこんな形です
パーマを巻くのは実はすごく高度な技術なので学生のうちに反復練習を繰り返して習得するんですが、これがまた結構大変…笑
授業風景はとても楽しそうです、1人で黙々やるのとは違うよな。
確かにワインディングだけではイメージがしにくいかもしれないです…!
めちゃくちゃ必要な技術学んでるのに!
あ、でも国際文化さんならパーマのデザインの授業とか…?
ありますよ
なんでもあるな…!
ちょうど僕は選択の授業でパーマのコースを受講してます。
内容はデザインの振り幅からゴムかけの細かい違いなど…いろんなことを教えてもらってます。
なので「もしかしたらパーマってちょっと楽しいのかも?」って思いはじめてます。
パーマはカットと連動してくる技術ですからね。
カットを本格的に勉強し始めると、パーマの楽しさや魅力もより感じるようになってくるかもしれませんね。
そしてカラーの魅力が伝わりやすい理由が今回少しわかった気がします。
学生の間にデザインや技術などの様々な経験ができることは就職後の成長に大きくプラスになりそうですね。
選択授業について聞いてみた
国際文化さんは選択授業の数がすごい多いじゃないですか?
選び方次第で自分の美容師の世界観を広げやすい環境なのかなと思うんですけれど、皆さんどんなのを選ばれてますか?
選択授業について詳しくはこちらから
よりどりみどり!!!
実技系から座学系まで本当に色々あります。
僕が今取ってるのは「トレンド学」っていう今の傾向(流行)や、その人に合ったスタイルを勉強するっていう授業ですね。
流行は常に意識したいなと思っているのでその授業をとってます。
後はアップとかパーマなど美容師として必要だと感じている授業をとってます。
私はヘアメイクの仕事もしたいと思っているので「ビューティーメイクアップ」などのメイクが勉強できるコースを中心に取得してます。
ヘアメイク!どんな場面で使いたいと思ってるんですか?
そうですね、撮影の現場にスタッフとして入れるようになりたいです。
ライティングやシチュエーションによってメイクの映え方が変わるので、そういった時に使える技術は学びたいなと思ってます。
私自身も撮影は何回かしてて、ヘアメイクを実際にする機会がありますが、リアルタイムで勉強しているから参考になりますね。
私は就職してサロンワークをするときに即戦力になれるようにあらかじめ知識を高めておきたくて、 「プロダクト商品知識」という、商品知識やお客様心理を学んで接客や店販に繋げるための授業を取っています。
自分がサロンに行った時にも感じることなんですけど、美容師さんの「この商品を使って欲しい!」という気持ちとお客様の「使ってみたい!」って気持ちがマッチしないと購入には至りませんよね。
それがすごく難しいなって。
いかに双方の気持ちがマッチできるかを今勉強してる最中です。
あとは「ヴィザジズム」っていう授業で、最近SNSでもよく見る似合わせのための授業です。
骨格や目の大きさやいろんな要素からその人に似合うスタイルを提案できる内容です。
び、ビザジズム…?
ヴィザジズム
ヴィザジスト協会/https://www.visagist.com/about/
「ヴィザジズム」という⾔葉は、フランス語で「顔」を意味する「ヴィサージュ」と「主義」という意味の「イズム」を合わせた造語です。
「ヴィザジズム」は顔を媒体とした美容コミュニケーションメソッドであり、デザインメソッドです。
相⼿の視線に働きかけて、⾃分の顔を「⾃分らしく」もしくは「⾒られたい⾃分」に⾒せる為の技法です。
このテクニックをお客様に提供できるカウンセラーを「ヴィザジスト」といいます。
自分が理解をしてお客様に伝えることができるってすごく必要なことだと思うんです。
もちろん実技系も取得してますよ!
私もヴィザジズム取得してます!
後は将来的には女性をメインのお客様にしていきたいので、メイクやカットはもちろんですが、アップやトータルコーディネートできるようなものを学ぶべきだなと思ってそういった授業を選択しています。
選択肢が多いって選ぶのが大変なのかなって思ってました、
自分で決めるって言うのは自分がなりたい美容師のイメージを固めるっていう意味ではすごくいいことなのかもしれないですね
というか、僕はここまで考えながら学生生活送ってなかったですよ…笑
みんなめちゃくちゃしっかり考えてるじゃないですか?
これって相当すごいことじゃない?
なりたい美容師像を学生のうちから固めておくことは非常に難しいでしょう。
とはいえ、フワッとしたイメージに対してそれをカバーできる授業の選択肢の多さがあるということは、イメージを鮮明に具体化させることができるのかもしれません。
次ページは学生の皆さんが美容師になった時の将来の話を聞いてきました!
サロスクマガジン編集長
美容学生と美容師に取材を行っている
本職は美容師
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